医療機関・国の不十分な対応に不満爆発、コロナ後遺症の究明始まる(1/2)

コロナ後遺症に関する情報の圧倒的な不足に、コロナ感染者・回復者、その家族などから上がる不安の声が止まない。国内外の各メディアがコロナ後遺症に苦しむ人々の状況を報じているものの、後遺症に関する研究が進まないことから医療者側の理解が進まず、不十分・不誠実な診療に不満を募らせる声がSNSにあふれている。

ある研究ではコロナ感染による男性側の妊よう性(妊娠力)への影響が示唆され、他の調査では、コロナによる体調不良を訴えている人の半数近くは仕事に戻れないことがわかった。未知のコロナ後遺症に苦しむ人たちの声や実態調査の他、ようやく始動した国の取り組みをまとめた。

コロナが体に及ぼす悪影響(動画)

本稿を読み進める前にまずは、改めて、コロナが体に与える影響を確認しよう。体内の様々な場所に多大な影響を及ぼす様子がわかる(動画:BBC NEWS)

深刻なコロナ後遺症、症状による著しいQOL低下

ブルームバーグの報道によれば、コロナによる世界経済の損失額は2025年までに3,740兆円に達し、コロナ後遺症がさらに経済への悪影響を及ぼすという(オーストラリア国立大学研究者の推定)。実際に、後遺症に苦しみ普段通りに働けなくなった人たちの存在が国内外で報道され、職場復帰できず経済的に困窮している声が聞かれる。後遺症の問題は心身へのダメージだけではない。生活苦に陥るケースもあり、後遺症が及ぼす影響は深刻だ。

発症から2ヶ月経つも、約9割が症状あり(伊)

ジェメッリ大学病院(イタリア・ローマ)は7月、新型コロナ発症から約2ヵ月の時点で87.4%の患者が何らかの症状があったことを調査で明らかにした。調査対象者は感染から回復し退院した男女143人で、32%は1〜2つの症状が、55%は3つ以上の症状が見られたとのこと。特に訴えが多かったのは次の症状。

  • 倦怠感(53.1%)
  • 呼吸困難(43.4%)
  • 関節痛(27.3%)
  • 胸痛(21.7%)

その他、咳、嗅覚の異常、ドライマウス、ドライアイ、鼻炎、目の充血、味覚の異常、頭痛、喀痰、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢といった症状を訴える人もいたとのこと。なお、こういった症状により4割の人にQOLの低下が見られたという参考:東京都医学総合研究所

後遺症で仕事・学校に戻れない、4割(日本)

NPO法人ME/CFSの会(※)は今月14日、コロナ後遺症に関するアンケート調査の結果を発表した。本調査は、コロナ感染後も体調不良が続いている人のME/CFSを発症する可能性を調べることを目的にしているが、後遺症による生活への影響度合いがわかる調査結果もまとめられていたので紹介したい。

(※)MEは筋痛性脳脊髄炎、CFSは慢性疲労症候群のこと。家事などの日常生活行動や頭を使う作業をすると身体が急激に衰弱し、激しい全身倦怠感に襲われる。極度の疲労が長期にわたり続くため、健全な社会生活が送れなくなる。

アンケート調査の回答者は、PCR検査の陽性者(27人)、陰性者(82人)、未検査者(217人:検査を受けたくても受けられなかった人)の計326人。回答者に現在の生活状況を聞いたところ、全体の4割が「仕事(学校)に戻ることができない」と回答した。また1割の人が寝たきりに近い状態であったり身の回りのことができないと回答。生活に著しい支障をきたしていることがわかった。

  1. 仕事(学校)に戻ることができない (40.5%)
  2. 寝たきりに近い (12.6%)
  3. 身の回りのことができない (11.3%)
  4. 基本的動作(飲み込みや歩くなど)を学習する必要がある(3.7%)

後遺症の具体的な症状

SNSには「#コロナ後遺症」の投稿が多数見られる。感染後に回復したものの今なお不調が続いているという各投稿者が後遺症と自覚している症状を、Twitterから拾ってみた。特に多く見られたのは、慢性疲労、倦怠感、息苦しさに関する投稿で、前述のイタリアの調査結果と同様の傾向が見られる。

  • 慢性疲労
  • 倦怠感
  • 息苦しい、息切れ
  • ブレインフォグ(頭にモヤがかかったようなスッキリしない状態)
  • 胸痛
  • 関節痛
  • 頭痛
  • 味覚障害
  • 嗅覚障害
  • 脱毛
  • 睡眠障害
  • 不安
  • 抑うつ
  • 耳鳴り、聴力悪化
  • 体重減少
  • ふらつき
  • 腎障害
    など

後遺症に苦しむ人たちの声、不満と不安

前述のME/CFSの会による調査報告書には、後遺症に悩む人たちからの自由回答もまとめられている。ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の著しい低下に苦しむ声が多く、そのような状況下で、医療機関で十分な治療をしてもらえない・まともに取り合ってもらえないといった状況がさらに不安を募らせている様子がうかがえる。他、スーパーに出かけたり家事ができず普通の生活に戻れない不安、後遺症の影響から働けなくなり経済的に困窮しているなど、状況は深刻だ。

<医療機関への不満・要望>

  • 体調が悪く、病院に行っても治療法がない。医師は感染症の後遺症に理解がなく、若いから大丈夫などの無責任な対応をされる。
  • 医師が最新情報を知らず、精神的問題だと言われ、満足な医療を受けられない。
  • 病院を受診しても心因性として扱われ、何もしてもらえず苦しい。
  • 複数の医療機関でのあらゆる検査で異常なしなので、治療がはじまらない。
  • 日本も海外と同じように後遺症外来を作ってほしい。

<お金の不安>

  • 働けなくなり経済的に困窮。
  • 体調不良で仕事も退職し、いつ復帰できるか分からない。同居の妹も私よりひどい症状で仕事を辞め、療養している。

<仕事・学校に戻れない>

  • 体調が優れないせいで職場復帰できず、それに対して理解を得られない。
  • 学校への復帰は当分無理そう。頭痛、倦怠感、喉・肺の痛みが常にあり、日常にも支障がでている。

<日常生活への著しい影響>

女性生活者の調査レポート