ゴミ屋敷の居住者7割が健康面に課題、就労困難による経済苦も引き起こす複合的な背景
ゴミ屋敷の居住者の約7割が、介護、精神疾患・障害、身体疾患・障害、認知症など、健康面で課題を抱えていることが、総務省によるゴミ屋敷対策に関する調査で明らかになった。調査対象となった30市区で把握したゴミ屋敷の事案2,339件から、市区ごとに6事案・計181事案を選定し、実態を把握した。
181事案のうち単身世帯は59.1%で、複数世帯が38.1%。単身世帯の内訳は54.2%が65歳以上で、18〜64歳は45.8%だった。ゴミ屋敷の居住者は健康面で課題を抱えているケースが目立ち、181事案のうち、ゴミを堆積している本人、あるいは同居家族が課題を抱えているのは約7割に上った。以下は、ゴミを堆積している本人と同居家族、それぞれが抱える健康面の課題とその割合。
<ゴミを堆積している本人が抱える健康面の課題>
- 介護…44.2%
- 精神疾患・障害…28.7%
- 身体疾患・障害…23.8%
- 認知症…10.5%
- 知的障害…3.9%
- DV・虐待…0.6%
<同居家族が抱える健康面の課題>
- 介護…11.6%
- 精神疾患・障害…9.4%
- DV・虐待…6.1%
- 知的障害…5.5%
- 身体疾患・障害…5.0%
- 認知症…4.4%
一方で、経済面で課題を抱えている居住者は40.9%だった。中には、疾患・障害があることから就労困難で生活に困窮しており、健康面の課題と複合的であるケースが目立つという。
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