高まるプラネタリーヘルスの知識需要、1,100人の医師が予想する「今後10年で懸念される健康リスク」

人々の健康と地球環境が相互に影響し合うメカニズムを探求する概念を指す「プラネタリーヘルス」。人々の活動が地球環境に及ぼす影響のみならず、地球環境の変化が人々の健康に与える影響についても世界的に関心が高まっており、各所で研究報告や啓発が活発化している。国連環境計画(UNEP)と国際科学会議(ISC)が今年7月に公表した、「プラネタリーヘルスと人類の幸福に関する世界予測レポートNavigating New Horizons:A Global Foresight Report on Planetary Health and Human Wellbeingでも、地球環境と人々の健康の関係を強調しており、医療者やヘルスケア事業者が今後担うべき役割の重要性は、年々高まっている。

だが、地球環境と人々の健康の相互依存性に関する正しい知識を習得する機会は少ない。日本医療政策機構が昨年末に日本の医師1,100名に実施した気候変動と健康に関する調査では、8割の医師が「気候変動が人々の健康に影響を及ぼしていると感じる」、5割の医師が「気候変動が自分の診療分野の患者の健康に影響を及ぼしていると感じる」と回答しているものの、医師らが気候変動に関する知識を十分に有していないことがわかった。実際に、気候変動と健康に関する専門的な研修を受けたことがある医師はわずか1割にとどまり、調査結果を踏まえ同機構は、医療者やヘルスケア事業者などのヘルスケアセクターに向けた、プラネタリーヘルスに関する専門知識の習得機会の重要性を訴えている。

ところで、気候変動により具体的にはどのような健康リスクがあるのか?調査では、医師に「現時点で気候変動が健康に及ぼしていると考える影響と、今後10年間での健康への影響の予想」についても尋ねており、次の結果となった。医師が今後10年間で特に懸念している健康リスクとして挙げたトップ3は、「洪水・台風・地滑り・山火事など異常気象による外傷(83.3%)」「熱関連疾患(79.5%)」「節足動物媒介感染症(75.8%)」だった。( )内は「そう思う」「ややそう思う」の計

 

プラネターヘルスの知識需要

【出典】HGPI

 

 

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