「子どもは産まない」が言えない…、産む役割を担う女性故の苦悩や生きづらさに反響の声
日本人の出生数が初めて70万人を割るとの報道で、子どもを産まない選択をした女性に、改めて社会の関心が向けられている。テレ朝ニュースによる今月8日付けのYahoo!ニュース掲載記事「『子どもは産まないかも』と思う女性たち 少子化進む中『産まない』が言えない理由」には、掲載からわずか半日ほどで約5,000件超えのコメントが入り、子どもを産まない選択をした女性や、子どもを産めなかった女性、今現在子育てをしている父母、病気や障害を抱えている子どもを育てている父母など、さまざまな立場からの意見が数多く並んだ。記事は、子どもを産む役割を担う女性故の苦悩に焦点をあてたもので、記事に登場する30代の既婚女性は、やりがいを感じている好きな仕事を離れる不安から、子どもを持つことへの迷いを感じつつも年齢的な焦りもあり、複雑な感情を抱いている。
少子化が進み、政府が育児・子育てをする属性を集中的に支援する中、その裏では、子どもを産まないことに罪悪感や疎外感を感じたり、周囲に「子どもは産まない」と言えずに思い悩む女性は多い。そんな女性たちの生きづらさを取り上げた記事に対する共感の声は大きく、働き方や経済状況を指摘するコメントや、生き方の多様化を周囲が受容する必要性を論点にしたコメントが目立つ。子どもを産んだ立場にいる女性が、産まない選択をする女性に理解を示す声も。編集部が同記事に寄せられているコメントをグルーピングし、特に印象に残ったものをピックアップした。
産まない選択に賛成
・「俺は残業や仕事の付き合いで飲み会もあるから家事育児分担なんて無理だ」と言う男性が今だにほとんどです。女性は、やりがいがある訳でもない仕事を家計を助けるためにフルタイムで続けて、子供が熱を出したら毎回自分が職場に頭を下げて早退し保育園に迎えに行き、家事育児は朝から深夜までほぼ全て自分が担う、結局はこれが現実的に最も多いパターン。だったら結婚も出産もしたくないと女性が思うのは当然です。
・親になって分かったことですが、うちの実家は父親がサラリーマン、母がパートの共働きでしたが一軒家建てて車持って子供3人を大学に入れて毎年2回くらい国内家族旅行してって物凄いことしてたんだなって改めて気付かされました。今の自分には到底無理。子供を産まないっていう選択は全然ありだと思う。子供に色々な経験をさせてもらうこともあるけれど、子供のせいで人生狂わされてしまう人もいる。ほとんどの人が望んだ通りの人生を生きていけるわけではない。自分を大切に生きることが大事だと思う。
・数々のいじめに遭い、祖父母と同居でも共働き両親のもと寂しかった子供時代をすごし、自分の子供がこの時代を健全に生きられるとは思えないこと。親族の発達障害が遺伝することへの懸念。心も体も強くなく、妊娠出産からの共働き育児がかなりの負担になること。以上から、子供を持ちたいとはどうしても思えない女性です。少子化の時代に申し訳ないとは思いますが、自身の心の平穏と安定を考えてのことです。とにかく不安定なこの時代、自分たちの人生だけでさえ不透明なのに、さらに先の見えない子育てというタスクを抱えるキャパがないのです。。。
・中3です。私は、子どもは産みたくありません。これから更に物の値段は上がり、でも収入はあまり変わらずで苦しくなりそうだと感じます。そんな中、子どもを大切に育て切れるでしょうか。子どもに愛情を注ぐことができるでしょうか。子どもを産んで、お金がなくて苦しくて後悔はしたくないから産みたくないです。(引用元:Yahoo!ニュース)
産まない選択をした
・子供を産まなかった事に後悔はありませんが、世間から向けられる目に対して生き辛いと思う事はあります。子供を産まない自分は生産性の無い役に立たない人間だと自分を責める事もありました。
・私も子供がいない夫婦ですが、今更子供がいない事を嘆くより、2人の生活を楽しむ方に全振りしています。
・子供、欲しいなと思ったことはありますが、主人の収入では生活が出来ないこと、また、私も仕事が好きなのでキャリアを積みたいと考えていることから子供は持たないだろうなと思っています。他にも、私はひとりっ子なので高齢の親の面倒を見る必要も出てきており、子供も親も、そして自分のことも…と、考えるのはできないなと思いました。そんな私に対して、親戚や知人からは子供を産まないなら結婚しなきゃよかったのに、結婚した意味がないと言われています。人それぞれの価値観だとは思いますが、好きなように生きていくのは難しいなと感じます。
・周りを見ても、自分のキャパを考えても、産まなくてよかったと心から思います。産んでよかった!と思う人がいるように、産まなくてよかった!と思う人もいるのです。体力的にも、精神的にも、キャリア的にも、金銭的にも、子育ては女性に大きな負担です。いくら父親が育児参加しても、時短などの制度や社会が変わっても、圧倒的に母親の負担は大きいし、連携や協力のために教えたり連絡したりの手間がかかります。知的障害や自閉症は増加の一途で、健康で育てやすい子供が産まれる保証はありません。産まないと言う選択は、日本のためにはならなかったかもしれませんが、自分の子供の幸福を考えたら私にとっては正解だったと思います。
・うちは子供無し40代夫婦です。結婚したのが遅かったのもあり夫婦2人の時間を楽しんでいる時に、経済的にも年齢的にも難しいとお互いの意見が一致したので子供は産まない選択をしました。お金があったら産んだかも知れない、というのは周りに言わないですがひとつの理由です。
・産まなかった側です。昔は欲しいと思う時もありましたが、今思えば特に理由はなくその流れが普通だと思っていたから。なかなかスムーズにいかず周りの友人に比べて遅れを取っているように感じてつらい時期もありました。今、子供にも関わる仕事をしていますが、私には母性があまりない事を年々実感しています。子供がいる楽しさや幸せを感じることはできませんが、子供がいる事で生じる不安や悩み、日々の疲労感を持たず自分の事にお金と時間を使う事に満足しています。
・いくらパートナーの十分な協力を得たり、勤務先の育児に対する環境が整備されていて充実しているとしても、出産前と同じという訳にはどうしてもならないと思います。少子化というフレーズを耳にして、子供を産まないという選択をしても罪悪感を感じる事は一切持たなくて良いと思いますし持つべきではないと思います。私は子供が居ませんがパートナーと楽しく生活ができていますし、子供が居ればできないような事もたくさんできています。決してみんな好き勝手すれば良いという訳ではありませんが、自分の人生として考えるべきだと思います。(引用元:Yahoo!ニュース)
産みたかったが、産めなかった
・私は一生付き合わなければならない薬を飲んでおり、妊娠を諦めています。
・産まない選択をした者です。共働きでやっとの生活をしている中で、収入が多い私が産休・育休を取ると生活は大丈夫なのかと不安になり、職場復帰出来るかもわからない、そんな不安を抱えながら子供を作る→産むと言うビジョンが出来ませんでした。それでも、1度妊活を試みましましたが、上手くいかず、金銭面だけでなくメンタル面も辛くなって来たので断念しました。更に、子供がいない事へのハラスメントを常何時受け続ける日々を送ってます。妊婦が安心して妊活、出産、子育てが出来る社会であれば、私のように諦めた人たちも頑張れたかもしれないと思うばかりです。(引用元:Yahoo!ニュース)
子どもはいるが、産みたくない気持ちは理解できる
・子無し既婚者に対して子どもを作る事に関して話すのは無責任だし余計なお世話だとつくづく思う。私は発達障害児の親ですが、人に「子ども作りなよ」なんて言えません。
・気持ちは分かる。自分は奥さんと結婚して子どもがいるのは普通と思って子どもできたけど、子どもが理由不明ながらの不登校になっていま困っている。子どもは産んで終わりじゃなく、成人するまではひとまず面倒を見ないといけない。子育てはもちろん、不登校を初めてとした色々なトラブル対応、それに仕事している人なら仕事のこともなど。大変すぎて産まない気持ちになるのもほんとよく分かる。
・私は子供3人ですが、無事に産めたのが3人で他に4回流産しています。 妊娠中も粗悪が酷く入院したりと、仕事は続けたかったけどとても続けられなかったです。専業主婦だからできたことです。 とにかく妊娠中はトラブルがつきもので個人差が大きい。 共働きが標準になりつつあるこの時代に産まない、産めないと思うのは仕方ないと思います。女性の負担が大きすぎます。
・子どもが3人います。やっぱり独身や夫婦だけの時の生活と比べれば、圧倒的に自分の時間が取れないし、お金もかかります。自分1人の人生を考えたときに、どっちが良かったかと考えることもあります。でも自分達がした選択なので、もちろん後悔などしていません。
・妊娠9ヶ月です。自分の子供に会えるのは何よりも楽しみですが、産前から赤ちゃんを迎える準備に結構な経済的な負担があり、かつ健康もがっつり損ない、将来が恐ろしいです。だから誰にでも妊娠出産を薦められないというのが素直な気持ちです。
・小学生1人います。仕事を辞め育児と夫の転勤とあり少し余裕も出てきたから働こうと思ってますが、なかなか難しい。9〜17時でも支度、移動時間に取られるし残業多い所はまだ無理。物凄いキャリア持ちではないけど、色々縛りがありつくづく難しさを感じているところです。昔よりは働き方多様にはなりましたが、何か心に余裕がない気もします。子育て世代への様々な無料化も有り難いですが子育て関係なくもう少しゆとりのある働き方、法定労働時間等見直して欲しいです。
・子どもを育ててますが、子どもが風邪ひこうが怪我しようが休めない環境にいます。こういう労働環境が更に少子化になってる1つ。(引用元:Yahoo!ニュース)
子どもを産んでよかった
・子どもは本当に可愛いですよ。仕事で嫌な事があっても、家では母をしなきゃなので頭も切り替わりますし。
・子持ちだから出世はしにくいけど、ベテランだから求められる成果は大きい。残業できない分休憩なしでがむしゃらに働く毎日。家も荒れがち。年収落として転職して、もう少し人間らしく暮らした方が子どもも自分もハッピーな気がする。子を産んだことは微塵も後悔していない。
・子供4人の父親です。とにかく毎日大変ですよ。カレンダーは予定でいっぱい、休みもあっという間に過ぎていく。1人は障害があり色々介助も必要です。それでも、子供達が寝たあとに妻とコーヒーを飲むと幸せを感じます。いつか、この子達が誰かの為に生きてくれる日を楽しみにしています。親になることの覚悟も必要ですよね。とても重たい覚悟ですが楽しみも充分にありますよ。
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