日本人の健康関連QOL、7年間で低下 女性30~59歳で顕著 全国2.3万人を分析
健康状態が日常生活や心にどの程度影響を与えているかを示す「健康関連QOL(Health-related QOL:HRQoL)」。ウェルビーイングへの関心が高まる中で注目されているが、低下傾向にあるという。とりわけ就労世代で顕著で、広島大学の研究では性差も明らかになった。性別・年代別で異なる健康関連QOLを、マーケティングにどのように反映するか。消費者理解を深める上でも示唆に富む研究だ。
日本人の健康関連QOL、大規模研究で明らかに
広島大学の平子哲夫氏らの研究グループは、日本人成人の健康関連QOLの全国平均が過去7年間にわたり一貫して低下していることを明らかにした。研究成果は、今年4月、国際学術誌『Scientific Reports』に掲載された。
2.3万人を解析(20〜85歳)
日本では高齢化や慢性疾患の増加、働き方の変化に加え、新型コロナウイルス感染症の流行など、健康状態に影響を与える要因が複雑化している。一方で、健康状態を示す指標である健康関連QOLについて、全国規模で継続的に調べた研究は限られており、地域ごとの変化まで詳しく明らかにした研究はほとんどなかった。そこで研究グループは、2017年度、2020年度、2024年度に実施された全国ランダムサンプリング調査のデータを解析。20〜85歳の成人の男女2万3千人越えを対象に、国際的な健康関連QOL指標を用いて時系列変化を調べた。
女性30〜59歳、男性40〜69歳で低下が顕著
その結果、全国平均の健康関連QOLは2017年〜2024年へと7年間で一貫して低下。特に女性では30〜59歳、男性では40〜69歳の就労世代で低下が確認された。また、QOL低下には「痛み・不快感」や「不安・ふさぎ込み」が大きく関与していることも示された。また、都道府県別の推定でも、ほぼ全国的に同様の傾向がみられた。
就労世代の健康課題が浮き彫りに
成果を踏まえ研究グループは、「日本の就労世代における健康関連QOLは緩やかではあるが確実に低下している」と指摘。今後については、「全国の健康関連QOLを継続的にモニタリングするとともに、その低下要因を詳しく分析する必要がある」としている。
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