自然派・オーガニック市場規模、6%増の理由(2015年度)
2015 年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比 6.0%増で 1,175 億円だった(矢野経済研究所調べ)。
自然派・オーガニック化粧品市場は、敏感肌の女性が増加していることや、安全・安心志向が高まっていること、エコ(Ecology)やロハス(LOHAS;Lifestyles of Health andSustainability)など環境を意識したライフスタイルを重視する消費者の増加などを背景に、着実な拡大をみせている。加えて参入各社が高機能を訴求する商品投入を進めたことで、これまで自然派・オーガニック化粧品に興味の無かった顧客を取り込んだことにより、市場は拡大基調で推移した。(引用:矢野経済研究所)
2014年度の化粧品市場規模は2兆3,305億円で、この5年は微増または横ばいとなっている。それに対し、オーガニックコスメ市場は堅調な伸びを示している。化粧品市場の中にオーガニックコスメも含まれるが、今後化粧品市場全体に占めるオーガニックコスメの割合は高くなっていくだろう。
以前までのオーガニックコスメは「自然派」「肌へのやさしさ」「癒し」を訴求する商品が多かったため、本格的なエイジングケアを行いたい女性にとっては、機能性の高いケミカルコスメに魅力を感じる傾向が強かった。しかし最近では「自然派+肌悩みを解決する機能性」を訴求するオーガニックコスメが増えている。
この市場の順調な拡大は「認知度が上がった」「オーガニックの世界観がフラットになった(10年程前まではオーガニックは少々偏ったイメージが強かった)」ことなども関係あるが、各社が機能性をセットに訴求するようになった点も大きく関係していると考えられる。自然派にプラスアルファ高い機能性がセットになれば、今までオーガニックよりもケミカルの機能性の高さを評価していた女性も、オーガニックコスメの購入に興味を持つようになるのでは。今後期待大の市場だ。
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