ドクターズコスメ市場は拡大基調で1,212億円へ、注目は韓国発ブランドの日本進出

2022年度のドクターズコスメ市場は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比111.8%の1,212億円。矢野経済研究所が発表した。市場を牽引してきた大手プレイヤーの売上縮小を主要因に、コロナ禍前の2019年度より前年度を割り込む状況にあったが、2021年度から業績が回復。コロナ禍で生じた肌悩みをエビデンスのある化粧品でケアしたいというニーズや、女性の美容医療ニーズの高まりから医家向けルートで販売する化粧品が好調に推移したことから、市場は拡大基調にある。2023年はさらに拡大が見込まれ、前年度比107.9%の1,308億円と推計した。

【出典】ドクターズコスメ市場規模推移と予測 (矢野経済研究所)

 

今後の注目は韓国発のドクターズコスメ。韓国コスメが近年国内で活況を呈する中、ドクターズコスメ市場でも同様のトレンドが見受けられ、韓国発ブランドの日本進出が進んでいることから、市場成長に寄与すると見られる。韓国発ブランドは、デザイン性の高いパッケージを起用するなど話題性に富む製品投入が得意で、手頃な価格で機能性の高さを訴求するものが多いことから、国内や欧州のドクターズコスメブランドに匹敵する存在に成長していくと同社は見ている。

他の民間調査によれば、化粧品ジャンルとしての「ドクターズコスメ」の認知率は、10〜20代の若年層より30〜40代の中年層が高く、また、悩みの深さや価格面から、使用経験についても中年層の方が高い。だが、韓国発のドクターズコスメの使用経験率・購入検討率は若年層の方が高いため、今後、韓国発ブランドの拡販が進めば、市場全体で若年層を取り込める可能性がある。

 

 

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