行動変容を促し高い満足度を提供 話題のデイサービス「ラスベガス」
介護施設で本格カジノを提供する「デイサービス・ラスベガス」は、利用者満足度の高さと、症状改善が期待できるデイサービスとして今注目されており、様々なメディアに取り上げられている。同社のサービスは行動変容を促す仕掛けが徹底されており、ヘルスケア事業者にとって参考になる点が多い。
利用者が自ら機能訓練に取り組む介護施設
デイサービス・ラスベガスはその名の通り、カジノ(パチンコ、麻雀)を楽しめる施設だ。
デイサービス・ラスベガスは「ゲーミング」の要素を取り入れた施設です。「ゲーミング=カジノ遊び」と単純にとらえる方もございますが、本来は 教育訓練や理論的研究のために、 現実に起こっている事象をモデル化し、ゲーム形式にしたもの。 あるいは、研修やビジネスにゲーム要素を 取り入れることを指します。ラスベガスは、時に単調で利用者様が負担に感じる機能訓練を少しでも長く続けていただくために ゲーミングの根本である「楽しくなければ続かない」という理念を最大限に活用し、利用者様が自ら楽しく 機能訓練に取り組める介護施設です。(引用:デイサービス・ラスベガス)
一般のディサービスと同様、スタッフは介護資格や看護師の免許を持っており、入浴サービスも提供する。「カジノ型」といってもサービスや料金は一般的な施設と変わらない。同施設は「楽しくなければ続かない、利用者が自ら楽しく 機能訓練に取り組める」よう工夫がされている。実際に、同施設が提供する「楽しく継続的に機能訓練に取り組める環境」により、要介護認定から3年未満の改善・維持率は、全国平均が35.32%なのに対し、81.89%。要介護認定後1年未満の改善・維持率に関しては95.35%と非常に高い数字を維持しているという。
改善・維持率の高さは行動変容を促す仕掛け
なぜ改善・維持率が高く、利用者満足度も高く、そして人気なのか?それは利用者の「行きたい!」「通いたい!」を刺激する工夫にあるようだ。
施設内だけで使える架空通貨を用意
同施設では施設内だけで使える架空通貨を用意している。利用者はこの架空通貨を使ってゲームを楽しむことができ、この架空通貨に行動変容を促す仕掛けがある。麻雀やパチンコを楽しむためには架空通貨を持つ必要がある。利用者は1日2回実施するストレッチ体操に参加することで1日2万ベガスの架空通貨を獲得できる。利用者の多くは架空通貨を獲得することがモチベーションとなり、積極的に体操に取り組むという。架空通貨を得る喜びが、健康維持増進やリハビリ、進行予防などで最も重要となるやる気の継続につながっている。
「デイサービスには行きたくない」を払拭
同施設の利用者が「他のデイサービスには通いたいとは思えないけど、ラスベガスなら楽しいから通う」と言うのは、架空通貨によるカジノ以外にも以下の理由があるようだ。
1.お遊戯やお絵描きはバカにされているよう
一般のディサービスでは朝からお遊戯したり、お絵描きしたり…が行われるが、これらを「バカにしている」ように感じる利用者も多い。特に男性にとってはお遊戯やお絵描き対する抵抗が強いという。そこで同施設では以下のような工夫がされている。
デイサービスのレクリエーションといえば、計算ドリルに塗り絵など、テーブルで一人で 行う物がほとんどでした。高齢者の男性などが、一人で塗り絵や計算ドリルを行うことなど、 それだけで苦痛に感じている方も多く、やりたくないという意見も多数いただきました。ラスベガスでは、楽しく脳を活性化できるという目的に対し、もっとも適したものとして 「ゲーミングの要素」を取り入れたサービスを導入いたしました。楽しくゲームを行うだけで 意識せずに脳機能を活性化できる上に、コミュニケーションや自主性の点でも高い効果を発揮しています。(引用:ラスベガス)
2.送迎車の乗り降りが恥ずかしい
介護事業者の送迎車といえば白の業務用ワンボックスカーが大多数だが、同施設では黒いワンボックスカーを使用。家の前で乗り降りするのも抵抗がなく、むしろカッコいい車だから乗りたくなる。
デイサービスを利用することは、特に男性のご利用者様にとっては気恥ずかしい思いもあるものです。 自宅前に白塗りの○○介護と書かれた車が停車することはご近所の手前大変恥ずかしく、もうデイサービスを利用したくないとおっしゃる利用者様も多数お見えになりました。 ラスベガスではそんな声を反映し、 恥ずかしくない送迎車をご用意しました。(引用:ラスベガス)
行動変容を促すコツは「ユーザーの声」
行動変容を促せるかどうかは商品・サービスの購入率や継続率、リピート率に影響するため、ヘルスケアビジネスでは行動変容促進を重視したマーケティング戦略が重要になる。難しいイメージが強いが、徹底して消費者の声や意見に耳を傾け改善を行うことで、行動変容促進を達成できるケースは同施設に限らず多々ある。行動変容を促し、自社の商品・サービス利用を促そうと思ったら、まずは常識を疑い、徹底して消費者の声に耳を傾けることから始めてみてはいかがだろう。
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