全世代の健康課題に対応するニュートリション市場、1.1兆円へ 完全栄養食や高齢者向け食品が押し上げ
矢野経済研究所は今月５日、国内のニュートリション（栄養）市場の調査結果を発表した。少子高齢化や被介護高齢者の増加、労働者のストレス増大と食生活の偏り、生活習慣病の若年化などを背景に、０歳から100歳に至る全世代を対象としたニュートリションの重要性が改めて見直されており、2023年度の市場規模は以下９分野合計で約1兆1,297億円、2030年度には1兆3,357億円まで拡大する見込み。
- 育児用ミルク・ベビーフード
- 完全栄養食
- パーソナライズフード
- 経口補水液
- 病者食（調理品・加工食品）
- 在宅配食サービス
- 高齢者向け栄養補給食品（低栄養予防食）
- 介護食（嚥下食・咀嚼困難者食）
- 流動食
病院における調理品が主力の病者食市場が大きなシェアを占めるものの、在宅高齢者の増加を背景に、在宅配食サービス市場や補食（おやつ・デザート）としての利用機会が多い高齢者向け栄養補給食品（低栄養予防食）市場が拡大している。また、人々のライフスタイルが多様化するなかで、完全栄養食やパーソナライズフードなどの新興市場も成長。
今後の拡大が見込まれるのは、在宅配食サービスや栄養補給食品（低栄養予防食）。国が在宅医療・在宅介護を推進していることから、自宅で安心して必要な栄養素をまかなえる食品の需要が伸びると見られる。一方で若年層や働く世代は、個々の健康課題に合わせて手軽にセルフケアできる製品・サービスを求めており、完全栄養食市場やパーソナライズフード市場が引き続き成長する見通し。
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