女児に多い「思春期特発性側弯症」の装具開発、従来の課題を解決 日本シグマックス

医療用品メーカーの日本シグマックス(東京・新宿)は、「思春期特発性側弯症」の装具療法に有効な「体幹装具SF用パーツ」を開発し、今月2日に発売を開始した。

脊柱が左右に曲がる「脊柱側弯症」。その中でも発症原因が不明で、10歳以降に発症する「思春期特発性側弯症」は女児に多く見られ、脊柱が左右に曲がることでウエストラインや肩の位置に左右差が出たり、肋骨の突出といった見た目に影響が出ることがある。成長とともに進行し、発症年齢が若いほど進行する可能性が高いと言われているため、早期発見・治療が重要とされている。治療は進行度合いによって3つの段階があり、初期は定期的な経過観察、進行すると装具療法、さらに進行した場合は手術療法が適応される。

 

【出典】日本シグマックス(組み合わせたパーツによる3点支持固定で、側方への弯曲を制限する)

 

装具療法は、装具の装着時間が長ければ長いほど治療成功率が高まると言われており、入浴時以外、睡眠時も装着が必要で、脊柱の側弯の進行がおさまる骨成熟の時期まで装具装着の指示が出されるケースが多い。しかし装着の大変さ、重さ・暑さなど長時間装着することによるストレス、ハードな見た目などから、装具の装着を途中でやめてしまうという課題があった。そこで同社は、側弯症の進行抑制に加え、思春期の女児でも学校に装具を装着していくことができるよう従来より目立ちにくいデザインを採用。体育の時間など必要に応じて自分でつけ外しが可能であることや装着時の快適性などにこだわり、装具パーツを開発した。

 

【出典】日本シグマックス(パッドに搭載したダイヤルにより、立位時や就寝時など、姿勢に合わせた調整が簡単にできる)

 

開発にあたっては、福島県立医科大学会津医療センター整形外科・脊椎外科学講座の白土修主任教授や東北補装具製作所(福島市)と共同で臨床研究を進め、以下の成果を報告している。

  • 開発した装具を組み合わせると、装具なしの状態より矯正率が向上
  • 本パーツを組み合わせた装具の1日当たりの装着時間は、先行研究と比較して長くなった
  • 本パーツを組み合わせた装具での治療開始1年後、矯正率が高くなっていた

 

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