今年のホットワード「骨密度向上」、最新&人気の骨粗鬆症予防ソリューション3事例

今年4月に始まった「健康日本21(第3次)」で、女性の骨粗鬆症検診受診率の向上が初めて目標設定されたことから、女性の骨密度向上は今年のトレンドキーワード。今後12年間にわたり健康施策として強化されることから、骨粗鬆症予防をテーマにした製品・サービスの登場が相次ぐ見込みだ。2022年の骨粗鬆症患者は推定で1,590万人(女性1,180万人,男性410万人※)で、女性は男性の約3倍。自覚症状がなく気づきにくいため検診による早期発見が重要とされているが、2022年の女性の骨粗鬆症検診受診率はわずか5.4%だった。将来の要介護状態や寝たきりを予防するため、特に女性は若いうちからの習慣的な対策が必要だ。検診受診率向上に向けた新発想の製品と、人気の予防対策ソリューションの事例を集めた。(※)Yoshimura N. et al.: J Bone Miner Metab. 2022; 40(5): 829-838

持ち運びできる骨密度測定装置(日本シグマックス)

医療機器メーカーの日本シグマックスが開発した、持ち運びができる骨密度測定装置「LIAQUSポータブル」。骨粗鬆症の罹患数は年々増加しているにもかかわらず、検診受診率が低いことに着目。検診・測定に対するハードルの高さが課題だとし、高齢者が検診のために施設に足を運ぶのではなく、「高齢者がいるところへ測定装置を持参して測定する」という逆の発想で検診受診率を上げようと、小型・軽量で持ち運びが容易な製品を開発した。施設だけでなく、訪問診療 、地域検診や公開講座などのイベントなど場所を選ばず使用できる。国の施策強化に合わせた上市で、医師や看護師、保健師、検査技師などの医療従事者向けに、今月17日より発売開始。

骨測定装置『 LIAQUSポータブル』

【出典】日本シグマックス

 

 

骨密度を高めるトクホ飲料、2億本突破(雪印メグミルク)

骨密度を高める働きのあるMBPを牛乳4本分(40mg)配合した、国内唯一のトクホ飲料「毎日骨ケアMBP」。MBPは牛乳に0.005%しか含まれない希少なたんぱく質で、20~50代の女性を対象にした試験では6ヶ月の飲用で平均3%の骨密度が増加したという。2022年5月に発売20周年を迎え累計販売本数2億本を突破したロングセラー商品で、Amazonの購入者レビューを見ると、骨粗鬆症予防や骨折後のケアに愛飲している人の声が目立つ。「母の骨粗鬆症対策に購入」「80代の母親の骨密度改善が1ヶ月後の診断で見られた」「妻が足の甲を骨折。少しでも早く良くなるようにと購入」「骨折した娘に食品以外に少しでも良質のカルシウムを、と思い探していた」など、商品への期待・信頼度・評価は総じて高い。

毎日骨ケア

【出典】雪印メグミルク

 

 

クリニックがつくる骨活プログラム(かおるこHappyクリニック)

整形外科「かおるこHappyクリニック(東京・千代田)」が提供するのは、骨粗鬆症予防のための4カ月間の「骨活ログラム」。クリニックで骨密度を測定後、状態に応じたプログラムを作成。患者は2週間ごとに異なるエクササイズ動画をメールで受け取り、自宅でエクササイズ。オンラインで定期的に食事などのアドバイスも受ける。4カ月後にクリニックで再び骨密度を測定し、変化を確認するという流れだ。来院回数は最大2回と、通院の手間を省きながらも医師から遠隔でアドバイスをもらえるため、健康行動を維持しやすい。

 

紅麴サプリ問題 女性消費者動向分析

 

 

【編集部おすすめ記事】
女性の骨粗しょう症検診受診率わずか5.4%、年齢別の診断状況
10~60代女性、年代別のwebコンテンツ「骨粗しょう症予防 骨活のすすめ」公開
年間で健康にかける平均金額は約13万円、中高年女性が求める健康サービスとは?
長生きを覚悟、人々の意識も製品・サービスも「人生100年時代仕様」へ
【レポート】売れるフェムテックの「開発」と「販売戦略」 17の障壁と対策

PAGE TOP
×