話題のステルス家電「スマートバスマット」の成功と進化 フレイル防止機能やマタニティモード追加

昨年の11月、日経トレンディが「2023年ヒット予測ランキング」の2位に選定したことで話題沸騰となった「ステルス家電」。”ぱっと見では存在が分からない家電製品”のことで、その代表的な製品として認知を高めたのが、体重測定ができるバスマット「スマートバスマット」。見聞きしたことがある人も多いだろう。あれから1年、その後どうなったのか?開発企業である東京大学発ヘルスケアスタートアップのissin (東京・文京)は、昨年11月の発売から1年が経過したのを機に、ユーザー数の伸びや販売店舗数などの実績に加え、この1年間で製品に追加した新機能の項目をまとめ、発表した。体重測定というシンプルな機能でありながら、多様なライフステージや年齢のニーズに応え続ける開発者の視点も参考になるが、同時に注目は、9割超えの製品の継続利用率だ。健康行動の習慣化に成功している事例としても、必読のケーススタディ。

家電量販店など350店舗で販売、ユーザーの継続率は9割超え

「スマートバスマット」は、お風呂上がりに乗るだけで体重測定ができるヘルスケア製品。商品名の通り、バスマット感覚で使えるのが特徴だ。データはWi-Fi経由でスマホアプリに自動記録される。昨年4月にクラウドファンディングのマクアケで発表し、先行予約販売台数は3,000台に。同年11月に一般販売を開始し、1年経過した現在、ユーザー数は4.7倍となり20,000人を突破した。ビックカメラやヨドバシカメラ、ヤマダ電機などの家電量販店を中心に全国350店以上の店頭と、Amazonや楽天などのECモールで販売している。以下は同製品のプロモーション動画。

 

 

ユーザーの男女比はほぼ半々で、30代・40代・50代が多い。同社は製品の継続利用率の高さも示しており、ユーザーに「スマートバスマットを購入してから、体重測定を習慣化できたか?」と聞いたところ、約98%が「習慣化できた」と回答したという。製品が健康行動の習慣化に大きく貢献していることがわかる。”お風呂上がりにバスマットに乗る”という、ごく自然な動線内で体重測定ができる設計にしたことが成功要因だろう。

 

【出典】issin

 

以下は女性ユーザーの声(同社公開)。製品を継続利用することで健康意識が自然と強化された点や、バスマットに乗るだけという手軽さを評価している。

 

  • 「自分が『いま何キロか』がわかることによって、少しの変化に気付けるようになったので、お金や時間のかかるダイエットが必要になる前に、翌日の食事に気を配ったり運動量を増やしたりと、少しずつ自分の体に良いことをしようと思うようになりました」(40代・女性)
  • 「まだスマートバスマットの存在を知らない方、特に女性には、スマートバスマットを使うと自然と健康意識が高まることを知ってほしいです」(40代・女性)
  • 「目盛りがないのが斬新で良い。数字は見たくないけれど、バスマットなので体重測定して記録するのには強制力があっていいなと思います」(30代・女性)

 

妊婦や高齢者など、多様な人の目的に応える新機能を続々追加

同社は販売開始以降、ユーザーニーズに耳を傾けながら機能追加やアップデートを行い、1年で10種の新機能を追加した。妊娠中・産後といったライフステージの変化や家族の共同利用を想定したもので、多様なニーズに応えている(以下では10種の新機能のうち一部を紹介)

■マタニティモード

妊娠中のヘルスケアをサポートする機能で、アプリで「マタニティモード」を選択すると、妊娠中の体重増加量を簡単に把握できる他、妊娠中の悩みをオンライン相談できる(サービスは遠隔健康医療相談「産婦人科オンライン」が提供)。また妊娠中の体重について、何週にどの程度の増加が望ましいかについても確認できる

【出典】issin

■ベビーモード

大人に抱っこされた状態で測定し、子どもの日々の成長を記録できる機能。小児科医に悩み相談もできる(サービスは遠隔健康医療相談「小児科オンライン」が提供)

■フレイル防止機能

高齢者の体重が直近6ヶ月で2kg以上減少した、あるいは6ヶ月以内に2kg以上減少する傾向があると予測されると、アプリ内でお知らせが届く機能。健康寿命延伸のため、フレイル状態に至る前にユーザーに予防・対策のきっかけを与える

■AI予測機能

AI予測機能も追加した。「ダイエットモード」では、ダイエットを目的とするユーザーの過去の体重データから目標体重への達成時期を予測したり、ダイエット達成後のリバウンドを予測する。「健康維持モード」では、過去の体重データから未来の体重の変動傾向を予測。モチベーションの維持・向上や行動変容に繋げる

■ペットモード

ペットの体調管理を目的に体重測定できるようにした機能。ペットを抱っこして測定した後、飼い主の体重を測定し、その差分がアプリに記録される「抱っこモード」と、直接お座りをさせて測定する「おすわり測定」がある

 

 

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