子宮頸部前がん病変の検出能、AIが医師を上回る

人工知能(AI)を用いた画像診断アルゴリズムは、医師による視診や細胞診よりも子宮頸部の前がん病変を正確に検出できることが、米国立がん研究所(NCI)のMark Schiffman氏らの研究で明らかになった。医療資源が乏しい発展途上国の女性は、十分な子宮がん検診やワクチン接種を受けられていない。同氏らは、この新しい技術を活用することで、途上国の女性の子宮頸がんによる死亡を減少させることができるのではと期待を示している。研究の詳細は「Journal of the National Cancer Institute」1月10日オンライン版に掲載された。

世界では毎年25万人の女性が子宮頸がんで死亡しており、その多くは途上国の女性が占めている。医療資源が乏しい地域では、希釈した酢酸を子宮頸部に塗布して視診を行うVIA法と呼ばれる頸部視診が検診に用いられている。しかし、この検査法は簡便で安価ではあるが、先進国では標準検査となっている細胞診などの診断精度には遠く及ばないという。

Schiffman氏らは、1990年代に、コスタリカの18~94歳の女性9,406人を対象に子宮頸部の画像を撮影し、その後、最長で18年間の追跡を実施した。ここで収集した子宮頸部の画像を元に、前がん病変を検出するようにAIを教育し、検出精度を医師による視診や細胞診と比較検討した。

その結果、開発したAIを用いた自動画像評価(automated visual evaluation)アルゴリズムは、91%の高い精度で前がん病変を検出できることが分かった。この検出精度は、医師による視診(69%)や細胞診(71%)を大きく上回っていた。

また、25~49歳の女性に限定して解析した結果、AIを用いた画像評価を1回受けるだけで、前がん病変の半分以上(55.7%)を検出できることも明らかになった。

Schiffman氏は「この新しい技術は医療資源をほとんど必要としない。将来的には、携帯電話とアプリケーションがあれば行えるようになるだろう」と述べ、どんな地域の女性でも質の高い医療が受けられるような技術開発をしていきたいと意欲をみせている。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のJennifer Wu氏は、この結果を受けて、「この新しいAI技術は医療資源が乏しい地域で大いに役立つだろう」と評している。同氏によれば、こうした地域の女性は医療機関に頻繁に通いにくいことが多く、一度の受診で検査と治療を同時に受けられる意義も大きいという。同じく専門家で、米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院のAmanda Shepherd-Littlejohn氏もこれに同意し、「細胞診や生検の結果を待たずに治療できることもきわめて有用だ」と話している。(HealthDay News 2019年1月10日)Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

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