「AYA世代のがん」 患者の8割が女性 国立成育医療研究センター
国立成育医療研究センターと国立がん研究センターが、小児・AYA世代のがんに関する分析結果を公表した(国立成育医療研究センター「院内がん登録2018-2019年 小児AYA集計報告書公表」)。2018年1月1日~2019年12月31日までの2年間に、診断・治療が開始された15〜39歳のAYA世代のがん患者は5万8,062人で、そのうちの77%が女性だった。15~20歳までは男女の患者数に大差がないものの、20歳を超えると年齢の上昇とともに女性の割合が増加する。一方で小児がんは男児に多く、54.5%だった。
AYA世代のがんの内訳を男女別にみると、女性の最多は「乳癌」で34.2%、男性は「結腸・直腸癌」で28.1%。
■女性
1.乳癌…34.2%
2.子宮頸部・子宮癌…25.4%
3.甲状腺癌…14.3%
4.結腸・直腸癌…6.7%
5.性腺癌…4.8%
6.胃癌…3.9%
7.その他の口唇・口腔・咽頭の癌…2.8%
8.気管・気管支・肺の癌…2.2%
9.膵癌…1.6%
10.腎癌…1.2%
■男性
1.結腸・直腸癌…28.1%
2.甲状腺癌…14.4%
3.胃癌…11.7%
4.その他の口唇・口腔・咽頭の癌…10.7%
5.腎癌…9.4%
6.気管・気管支・肺の癌…8.1%
7.膵癌…4.0%
8.その他あるいは部位不明の癌…3.9%
9.その他または部位不明の胃腸の癌…3.3%
10.肝・肝内胆管癌…2.6%
AYA世代のがん患者は、就学、就職、結婚、出産、子育てなどのさまざまなライフイベントに直面するため、一人一人のライフステージに寄り添ったサポートが必要とされる。厚労省が昨年末に策定した「がん研究10か年戦略(第5次)」では、今後10年間に推進する柱のひとつ「ライフステージやがんの特性に着目した研究」の対象に「小児がんとAYA世代のがん」が盛り込まれた(詳細:2024年度開始の「がん研究10か年戦略(第5次)」策定、がんの予防・診断・治療・共生に向けた研究事項)。
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