「世界子供白書2024」公開、世界のメガトレンド「気候・環境危機」が子どもの健康の脅威に
日本ユニセフが、「世界子供白書2024」の日本語版を公開した。子どもを取り巻く主要課題をテーマに、子どもに関する各国・地域の主要データをまとめたもので、毎年発行している。最新の2024年版では、世界を変える以下3つのメガトレンドが、2050年の子どもたちの生活にどのような影響を与えるかを予測しながら、今から取るべきアクションを提示している。統計は国・地域別の子どもの人口、死亡率、母親と新生児の健康、保健・栄養・教育・水と衛生など、一連のデータを掲載。
■気候危機と環境危機
異常気象や大気汚染、気候関連の災害などは、子どもたちの健康や教育、将来の可能性に直接的な影響を与える。2050年代には、異常気象による災害にさらされる子どもの数が、2000年代と比べて大幅に増加する見込み。世界の子どものほぼ半数が、気候や環境災害のリスクが高い国で暮らしており、異常気象や汚染の影響を受けている。特に大気汚染や感染症、食料不安、心の健康への影響は深刻。気候ショックは教育や住環境にも悪影響を及ぼし、子どもの権利を脅かす。こうした危機に対処するためには、温室効果ガスの排出削減、クリーンエネルギーへの移行、そして気候変動への適応策の実施が急務。各国の気候政策においては、子どもの福祉を最優先に考える必要がある。
■人口動態の変化
2050年代までに、世界の子ども人口は23億人程度で横ばいになると予測されているが、地域による差が大きい。南アジアやアフリカ諸地域では子ども人口が多く、気候危機やインフラ不足といった課題を抱えている一方で、高所得国では子どもの割合が大きく減少し、19%未満になる。人口構成の変化は経済成長の機会をもたらす一方で、高齢化社会における政策の見直しなど、新たな課題を引き起こす可能性がある。
■先端技術の発展
デジタル化は、子どもの学びやつながりを促進する一方で、性的搾取や虐待といったリスクも伴う。低所得国では、インフラ不足により多くの子どもたちが恩恵を受けられず、こうした地域でのデジタル格差は、不平等を拡大させる恐れがある。AIやニューロテクノロジーは教育や医療の質を高めるが、適切なガバナンスがなければプライバシーの侵害や差別の助長といったリスクも。一方で、ワクチン開発やグリーンテクノロジーなどの技術進歩は命を守り、クリーンエネルギーへの移行を後押しするなど、子どもたちの未来に希望をもたらす。
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