2025年の世界の消費者トレンドは「健康寿命へのこだわり」、受身型から予防・専門的ソリューションへシフト

市場調査会社の英ユーロモニターインターナショナルが、2025年の世界の消費者トレンドを発表した。世界16拠点に所属するアナリストチームが、市場調査で得た知見をもとに翌年の消費者トレンドを予測・分析するもので、2025年のトレンドとして5項目を挙げた。企業が今後とるべき戦略についても言及している。

2025年のトレンド5項目

健康寿命へのこだわり

「より長く、より健康的に生きる」という消費者の意識変化で、「問題が発生してから対処する」という従来の受け身型のソリューションに加え、「予防的で専門的なソリューション」へと大きなシフトが起こっている。また消費者は、ライフステージに応じた健康状況を調べ理解し、症状を緩和したり改善する商品・サービスを積極的に探しており、企業は、具体的な健康課題に最適な方法で対処することが求められている。

賢い消費

長引く景気の先行き不透明感により、節約志向は、もはや一時的ではなく現在の消費者行動に根付いている。一方で、時間を節約するためならお金を喜んで使う傾向も。ただし、費用対効果の高い商品が、必ずしも消費者から好まれるとも限らない。企業は自社が消費者にとっての「第一想起ブランド」であり続けるために、明確な付加価値を提供し、消費者のニーズに応えていくべきである。

エコ・ロジカル

消費者はサステナブル商品を支持しているが、消費に対しては現実的。依然として、サステナブル消費において重要視しているのは「手頃な価格」。企業は、サステナブル商品を従来商品と同価格で販売できないのであれば、環境訴求以外の商品価値を伝え、消費者の購買意欲をそそらなければならない。

選び抜かれた購買体験

消費者は、自分が本当に必要な商品・サービスを時間をかけずに探し出したいと考えている。こうしたニーズに応えようと、企業による商品パッケージの改良、パーソナライズされたおすすめ機能の提供、買い物体験の簡潔化、といった取り組みが見られる。商品の発見から様々なチャネルでの購買まで、ショッピングジャーニーのあらゆるステージで、明確かつ共感を呼ぶメッセージの発信と、最適化されたユーザー体験の提供こそが、企業の戦略的優先事項に。

AIへの期待と不安

生成AIの利用が広がる一方で、そのアウトプットに見られる欠陥が指摘され始めたことで、生成AIに対する消費者の懐疑心は増幅しているが、良い点と悪い点の両面を評価している。企業は消費者からの信頼を維持するため、生成AIの利用における透明性を高め、利用目的を明確にする必要がある。

 

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