代替医療の概要 種類・利用実態・メリット・効果(2/4)

がん(癌)治療における代替医療の利用実態・メリット・効果

代替医療(補完代替医療)の利用経験があるがん患者の割合

国内の医療現場における補完代替医療の利用実態調査(※)では、44.6%のがん患者が何かしらの代替医療(補完代替医療)を使っている。また、利用頻度が高いがん患者と低い患者では以下のような違いも明らかになっている。男性よりも女性の方が代替医療に頼る傾向があるようだ。(※)厚生労働省がん研究助成金による研究班「我が国におけるがんの代替療法に関する研究」班:主任研究者・兵頭一之介,2005

  • 【利用頻度が高いがん患者の特徴】
    ・60歳以下
    ・女性
    ・一日の半分以上を床上安静
    ・高学歴(大卒以上)
    ・日常生活に変化あり
    ・化学療法を受けた患者
    ・緩和ケア病棟患者
    ・肺がん、乳がん、肝胆道がん
  • 【利用頻度が低いがん患者の特徴】
    ・60歳以上・男性
    ・活動制限ほとんどなし
    ・低学歴
    ・日常生活に変化なし
    ・化学療法を受けていない患者
    ・がんセンター患者
    ・頭頚部がん、消化管がん、泌尿生殖器がん

がんの補完代替医療ガイドブック(※)によると、利用している代替医療(補完代替医療)で最も多かったのは、「健康食品・サプリ」で96.2%。代替医療(補完代替医療)にかけている費用の平均は57,000円/月。約2人に1人のがん患者が代替医療(補完代替医療)に頼っているが、効果を実感している人は2割程度と少ないのが現状だ。(※)編集・制作:厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班,独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「がんの代替医療の科学的検証に関する研究」班

意識調査から見えてくる代替医療(補完代替医療)のメリットとデメリット

代替医療のアンケート調査(※)では、利用の恩恵として最も多かったのは「体力・免疫力が高まる」ことで、逆にデメリットとして最も多く挙げられたのが「副作用が気になる」だった。そのほか、回答概要は以下の通り。(※)編集・制作:厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班,独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「がんの代替医療の科学的検証に関する研究」班

  • <メリット>
    1位:体力・免疫力が高まる(53.1%)
    2位:病気の治療につながる(50.9%)
    3位:病院の治療に比べて副作用が少ない(46.2%)
    4位:病気の進行を抑えられる(46.0%)
  • <デメリット>
    1位:副作用が気になる(37.9%)
    2位:依存してしまいそうな気がする(27.4%)
    3位:病院での治療に悪い影響を与える(13.0%)
    4位:病気の悪化につながる(5.9%)
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