【男女の違いvol.41】コロナ第4波、男女で異なる自粛生活下の不調

緊急事態宣言が再び発令されそうだ。感染力が高いとされる変異ウイルスの感染が拡大していることから、昨年1回目の緊急事態宣言時同様に、全国規模で再び自粛生活が始まる可能性もある。ロイターの調査によると96%の企業がコロナ第4波を覚悟し、半数以上が5月頃にピークを迎えると見ているとのこと。これに備えすでに各社でマーケティング対策を講じているだろうが、改めて、自粛生活下の女性の健康不安や不調について確認しておこう。

健康不安、男性より強い

ツムラは昨年末、20〜40代の男女(1,800人)を対象に、コロナ禍以降の心身の不調を振り返る調査を実施した。その中で「現在の心身の健康に対する不安」を聞いたところ、全年代で女性の方が健康不安が強いことがわかった(20代女性59.3% , 30代女性68.0% , 40代女性68.0%)。

【出典】ツムラ

【出典】ツムラ

男女で異なるコロナ禍の不調、トップ10

次に「コロナ禍で身体面・精神面での不調を感じたか?」と聞いたところ、こちらも全年代で女性の方が割合は高く、さらに30代・40代で顕著だった。男性よりも女性の方が不調をより強く感じることが明らかに。

【出典】ツムラ

【出典】ツムラ

具体的にはどんな不調が出たのか?男女それぞれのランキングが以下。赤色で囲っているのはトップ3。

【出典】ツムラ 

【出典】ツムラ

このランキングを性差の視点で考察すると、女性特有の健康問題がより明確にわかる(以下3点)。

1.トップ3の不調は男女同じ、だが女性は2〜3割多い

男女ともにトップ3の不調は「肩こり」「疲れ・だるさ」「目の疲れ」。だが各不調の割合を見ると、男女間で優位な差が見られ、2〜3割もの開きがある。男性は3項目の各割合が4〜5割程度だが、女性はいずれも7割を超えている。不調項目は同じでも、女性の方が圧倒的に不調者が多い。

2.第1位は、有訴者率1位の女性特有の不調

男性の不調第1位は「目の疲れ(55.7%)」。一方、女性の第1位は「肩こり(71.7%)」。肩こりは女性の有訴者率第1位の不調で、もともと男性よりも圧倒的に女性に多い。この傾向はコロナ禍でも変わらない結果となった。以下は男女別の有訴者率国民生活基礎調査2019,厚労省

3.女性特有の健康問題がランクイン

その他、女性特有の健康問題が複数ランクインした。冷え(7位)、生理痛・生理不順(8位)、むくみ(9位)。これらの項目は男性のランキングには入っていない。

 

未既婚・住環境・リテラシーで異なる不調

男性よりも女性の方が健康不安が強い上に、実際に不調が出現するのも女性に顕著であることが調査でわかった。もともと女性の方が不定愁訴を始め不調を抱えている人は多いが、自粛生活下においてもこの状況は変わらず、心身の健康を崩しやすいのは圧倒的に女性。より注意が必要だ。

自粛生活下における不調の出現については、当社ウーマンズでも昨年に調査を実施し(対象:20〜70代)、不調の内容や自身が思う不調が出現した理由を詳細に聞いたのだが、未婚・既婚、育児・介護の有無、住環境、感染への警戒度合い、ヘルスリテラシー・ネットリテラシー、持病の有無など、様々な要素を背景にそれぞれ特有の不調が出現したことが明らかになった。例えば…、

  • 一人暮らしの女性は、孤独や不安から抑うつ状態になった
  • 既婚女性は、夫婦間でコロナ対策の考えが違うために関係悪化
  • 子育てママは、夫の在宅勤務や子ども休校で家事が増え疲労困憊
  • 在宅勤務になった女性は、椅子と高さが合わないテーブルで仕事をするようになり肩こりに
  • 感染不安から歯科医院に行けず、歯肉炎が進行
  • ドラッグストアの代わりにネット通販で買い物をしようとしたが、店頭のように相談できる人がおらず、また、広告が多いために、何を選んで良いかわからず断念
  • ストレスから潰瘍性大腸炎が再発

不調が出やすい自粛生活中こそ、ヘルスケア企業の出番。”ペルソナの行動”をしっかり想定して、女性たちに健康商品・サービスを確実に届けたい。ちなみに自粛生活中の不調出現の割合が最も低かったのは、20〜70代女性の中で70代だった。このような状況の中で、よりストレスを感じたり健康を損ないやすいのは、大雑把に分類して言うなら”現役世代”ということだ。

 

 

 

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