認知症の人が見ている世界ってどんな感じ? 20万部突破の「認知症世界の歩き方」

女性ヘルスケア市場をウォッチし続けるウーマンズラボ編集部が厳選、おすすめの良書を紹介するコーナー。今回のテーマは「認知症の人が見ている世界」。

認知症との共生社会の実現を目指した「認知症基本法」が、今年6月に成立した詳細「認知症に関する初の法律「認知症基本法」、成立へ」。だが実際は、認知症に関する正しい知識がなくイメージに偏見を持つ人は多く、当事者や周りの人の生きづらさ解消への道のりは険しい。

社会課題解決のためのソーシャルデザインに取り組む筧裕介氏は、その背景にある問題として、認知症の当事者目線による情報が少ないことを挙げている。認知症に関する書籍やインターネットの情報は、医療従事者や介護者視点の難しい言葉で説明したものばかりで、肝心の当事者の視点から困りごとや気持ちをまとめた情報は、ほとんど見つからない。

そこで、当事者目線で認知症を理解できる本を制作。認知症の人たちが見えている世界や、生活の中での具体的な不便やトラブルを、わかりやすいイラスト共に解説した。絵本のように読める構成とデザインで、気構えることなく手に取りやすい。購入者レビューには、「認知症の家族の行動がよくわかった」「認知症の人の体験をイメージしやすい」「当事者しか分からない体験や感覚を、非当事者に分かりやすく表現している」など、高評価の声が多く並ぶ。

 

認知症の人と接する時にしんどいのは、「この人はなぜこんな意味不明なことをするのだろうか?」という苛立ちです。しかし、この本では認知症の人の視点から、分かりやすく認知症について説明してくれるので、「ああ、脳内がこうなっているから、こう振る舞っちゃうのだな」と理解できるようになりました。「認知症のことを理解できてなかった頃は「そんな訳分からん事はやめろ!」と腹を立ててましたが、この本を読んでからは「そういう事もしちゃうよね」と優しく接することができるようになりました。引用:アマゾン

 

2021年発行の「認知症世界の歩き方」は新聞各紙に取り上げられ、2022年に最も売れた認知症の本第1位を獲得した。韓国、台湾、中国でも発行され、シリーズ累計で20万部を突破。今年3月には、その続編「認知症世界の歩き方  実践編」を発行。認知症の人と接する仕事をしている人や、認知症関連のビジネスに関わっている、あるいはこれから立ち上げる人におすすめの良書。


 

 

 

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