超高齢社会で増える「認知症を患ったがん患者」、どんな支援が必要?
超高齢社会を迎えたことで、認知症を患ったがん患者が増えている。日本対がん協会は、認知症のがん患者への対応状況を調べるため、全国のがん診療連携拠点病院にアンケート調査を実施した(「がん診療連携拠点病院における認知症整備体制に関する全国実態調査」2024.1」)。256施設のうち97.7%の250施設が「認知症のがん患者への対応で困ったことがある」と回答し、がん患者の認知症対策が途上にあることが浮き彫りとなった。具体的には何に困ったことがあるのか?最多は「本人が治療について判断ができない」だった。
- 1位:本人が治療について判断ができない(93.0%)
- 2位:在宅での治療を支える家族がいない(82.0%)
- 3位:在宅での抗がん剤治療中の副作用(下痢や発熱、痛み、悪心)などを患者本人が周囲に伝えることができない(69.5%)
- 4位:在宅での抗がん剤服薬の管理の支援者がいない(67.2%)
- 4位:栄養バランスや回数など適切な食事管理ができない(67.2%)
- 6位:大腸癌手術後の在宅でのスマートケアの支援者がいない(66.4%)
- 7位:入院中のリハビリを拒否する(63.3%)
- 8位:在宅での抗がん剤や分子標的薬治療による手足症候群のケアを支援できる家族がいない(46.9%)
- 9位:がん患者だということを理由に、介護施設から入所を断られた(30.5%)
- 10位:在宅での抗がん剤や分子標的薬治療による手足症候群のケアを支援できる訪問看護ステーションがない(12.5%)
2021年の人口動態統計では、がん死亡数のうち88%を占めるのが65歳以上で、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症と推計されている。高齢期に認知症とがんを同時に患うケースに備え、認知症のがん患者を支援する適切なソリューションが求められる。
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