10〜70代女性のスポーツ実施率が前年より低下、理由は? スポーツ庁

スポーツ庁が「スポーツの実施状況等に関する世論調査(令和5年)」の結果を公表した。運動やスポーツの実施状況に関する国民の実態を把握するため毎年行っているもので、全国の18~79歳の男女4万人(女性50.2%,男性49.8%)の回答を集計した。

スポーツ実施率、女性は低下、男性は増加

令和5年の週1日以上のスポーツ実施率は女性49.4%、男性54.9%で、女性は前年よりも0.9%低下し、男性は0.3%増加した。年代別にみると男女ともに70代が最も高く、女性66.2%、男性68.6%。一方、最も低いのは女性は30代で38.9%、男性は50代で49.3%。昨年と比較すると、男性は10代~40代でスポーツ実施率が増加したのに対し、女性は60代を除いて全年代で低下した。

週1日以上の運動・スポーツ実施率

【画像】スポーツ庁,令和5年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査よりウーマンズラボ作成

 

スポーツをする理由、女性は「健康・美容」、男性は「自己鍛錬」

全体的に女性の方が健康や気晴らしのために運動やスポーツをする人が多く、「健康のため」「体力増進・維持のため」「運動不足を感じるから」「筋力増進・維持のため」「楽しみ、気晴らしとして」「肥満解消・ダイエットのため」「友人仲間との交流として」「美容のため」「家族とのふれあいとして」はいずれも男性を上回った。男性の方が多かったのは「自己の記録や能力を向上させるため」「精神の修養や訓練のため」の2項目のみで、自己鍛錬の意味合いで運動やスポーツに取り組む傾向が見られる。男女差が最も大きかったのは「美容のため」で、男性4.2%に対し女性は15.8%だった。

運動・スポーツを週1日以上実施した理由

【画像】スポーツ庁,令和5年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査よりウーマンズラボ作成

 

スポーツの実施頻度が減った、または増やせない理由

女性のスポーツ実施率が前年より低下した理由は何なのか?実施頻度が「減った」または「これ以上増やせない」「増やさない」理由を尋ねたところ、女性全体で最多は「仕事や家事が忙しいから」で、特に30代が突出して多く54.3%に上った。仕事と家事・育児の両立が背景にあるとみられ、さらに昨年は、コロナ5類移行でオフィス回帰や外出頻度増など日常生活が徐々に戻ってきたことで、多忙に拍車がかかったと見られる。30代女性のスポーツ実施率が男女・全年代合わせて最も低い理由は、ここにあると言えそうだ。

他、女性のスポーツ実施率が低い理由として大きいのは、運動・スポーツに対する苦手意識。「運動・スポーツが嫌いだから」と回答したのは男性6.1%に対し女性は16.2%だった。

運動・スポーツの実施頻度が減った、または増やせない理由

【画像】スポーツ庁,令和5年度 スポーツの実施状況等に関する世論調査よりウーマンズラボ作成

 

 

 

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