国内初の活動量計を用いた調査、推奨身体活動量の達成率は男性より女性が低く4.8割
国が推奨する身体活動量の達成率は、男性より女性が低いことが「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査(※)」の報告書で明らかになった。笹川スポーツ財団と明治安田厚生事業団が共同実施した調査によるもので、活動量計を用いた身体活動量の実測と合わせ、質問票によるアンケートでスポーツ実施状況等を調べた。
今年1月に「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が公表され、身体活動の時間や強度などの数値目標が提示されたものの、国民の達成率や実態についての客観的な調査がこれまで十分に行われてこなかった現状を踏まえ、計測機器による実態把握に乗り出した。活動量計を用いた身体活動量調査は、国内初。
調査は13都府県の20〜80歳未満の男女650人に実施し、有効回答数は196。腰に装着するだけで身体活動量や歩数を1分ごとに記録できる活動量計を用い、日常生活で「どのくらい動いているのか」「どのくらい座っているのか」を測定・分析した。対象者は、休日を含めた1週間、就寝時や入浴時などを除き装着した。厚労省が推奨する身体活動量(20〜65歳の成人で1日60分以上、66〜79歳の高齢者で1日40分以上の中高強度身体活動)に達していたのは、成人は女性43.6%・男性47.9%、高齢者は女性52.9%・男性66.7%で、両年代において男性より女性の達成率が低かった。男女ともに、高齢者より成人の達成率が低いこともわかった。
有効回答率は低いものの、多面的な分析により、身体活動量の達成率や身体活動への関心度合いが年齢・性別で異なることや、運動歴や家族構成、主観的健康感、睡眠の質、最終学歴、世帯年収などとの関連も明らかにした。2者は今後、政策提言も視野に、国を代表する身体活動の実態調査の位置づけを目指し、調査範囲を全国へ拡大するとしている。
(※)身体活動:「安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての動作」を指し、運動やスポーツだけではなく、日常生活における労働・家事・移動なども含む。身体活動ガイド2023では、3メッツ以上の身体活動(歩行、庭仕事、子どもと遊ぶ、水泳など)の基準が示されている。
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