10年ぶりの改定「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」、こども・成人・高齢者・慢性疾患者の目標 

今年4月に運用が始まった「健康日本21(第三次)」では、病気の発症予防や重症化予防、健康維持のために達成すべき目標を設定している。運動分野においては歩数増加や運動習慣者の増加などを目標とし、取り組みを推進するため厚労省は今年、健康・医療・介護関係者や職場管理者などに向けたガイドライン「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を策定した。

前身の「健康づくりのための身体活動基準2013」を改訂したもので、策定から10年が経過し新たなエビデンスが蓄積したことや、機械化・自動化の進展や移動手段の発達等、生活環境の変化による歩行機会の減少などを踏まえ、内容を見直した。日常生活で推奨される身体活動(家事・労働・通勤・通学などを含む)や運動の目安、参考情報などを属性別にまとめている。属性別の主な目標は以下。

■こども
・身体活動1日60分以上
・座りっぱなしの時間、特にスクリーンタイム(テレビ、ゲーム、スマホの利用など)を減らす
・激しすぎる運動に注意

■成人
・身体活動1日60分以上(1日約8,000歩以上)
・筋力トレーニングを週2~3日
・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意

■高齢者
・身体活動1日40分以上(1日約6,000歩以上)
・筋力トレーニングを週2~3日
・身体機能が低下している高齢者については、安全に配慮し、転倒等に注意
・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意

■慢性疾患のある人(高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、変形性膝関節症)
・身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)
・高齢者や体力レベルが低い人は身体活動を合計40分(1日約6,000歩以上)
・筋力トレーニングを週2~3日
・座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意
・患者は無理のない強度・頻度で始め、徐々に増やしていくこと
・身体活動によって悪化する可能性があるため、事前に医師等に相談すること

 

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023

【出典】厚労省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

 

 

 

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