実は少数派の「健康低関心層」、健康関心度尺度を用いた調査で明らかに

健康への関心が低い「低関心層」は、思っているほど多くはなく、全体でみると実は少数派のようだ。笹川スポーツ財団が全国の18歳以上の男女2,520名を対象に実施した調査で、明らかになった健康関心度とスポーツライフに関する調査。調査では健康関心度尺度を用い、次の12項目について対象者に1〜4点で評価してもらった。

健康への意識
・私は健康への意識が高いほうだ
・自分の健康に関する情報に興味がある
・健康状態の変化に気を付けている
・周りの人より私は健康を意識している

健康への意欲
・健康のためにはある程度時間を割くべきだ
・健康のためにはある程度お金をかけてもよい
・健康を第一に考えて暮らしたい
・健康でいるためなら何でもする

健康への価値観
・健康よりも遊びや趣味が大切だ
・健康よりも仕事や収入が大切だ
・病気を予防するより、病気になったら治療すればよい
・病気になったときだけ自分の健康が心配だ

合計点を集計し、「低関心層」「中関心層」「高関心層」の3タイプに分類したところ、最も多かったのは、健康に一定程度の関心がある「中関心層」で77%。高い関心がある「高関心層」は17.6%、「低関心層」は最も少なく5.4%だった。中・高関心層を合わせると全体の9割を超えることから、健康への関心が低い人々は少数派であることがわかった。

健康行動に取り組んでいない女性が6割に上ることを明らかにした厚労省の調査では詳細「健康行動に取り組んでいない女性6割、なぜ無関心?」、健康無関心層が想像以上に多いことで話題を集めたが、それとは相反する結果となった。この違いについて同団は、「政策やメディアによる健康リスクへの意識喚起や健康関連商品の増加、また新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあいまって、近年では”意識レベル”での健康への関心度は高まっていると推察できる」とコメントした。健康行動が伴っていない人であっても、健康に対する意識そのものはある、ということだ。健康行動が全く起きていなかったり習慣化していない属性を、一括りで「健康に関心がない」「健康消費はしない」と決めつけるのは、やめた方が良さそうだ。

 

 

ちなみに職業別の集計では、健康関心度が最も高いのは「専業主婦」で、「正社員」と「学生」が低かった。

【出典】笹川スポーツ財団(職業による健康関心度得点の平均値)

 

 

 

 

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