女性の健康総合センター開所記念のシンポジウム開催、医療者や企業人430名が参加
女性の健康総合センター開所を記念したシンポジウムが、今月17日に開催された。現地とオンラインのハイブリッド開催で、産婦人科学会や関連学会の医師や薬剤師、製薬企業など、約430名が参加。国立成育医療研究センター理事長の五十嵐隆氏による開会挨拶に始まり、女性の健康総合センターセンター長の小宮ひろみ氏、米NIH(National Institutes of Health/米国国立衛生研究所)のORWH(Ofiice of Research on Women’s Health/女性の健康研究室)局長のジャニーン・オースティン・クレイトン氏、日本性差医学・医療学会理事の天野恵子氏、日本産科婦人科学会理事長の加藤聖子氏が登壇した。
小宮氏は、センターの組織図や今後の取り組みなどを紹介。センターでは「データセンターの構築」「女性のライフコースと性差を踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的な推進」「情報収集・発信、政策提言」「女性の体とこころのケア」「女性に特化した診療機能の拡充」を取り組みの柱としており、「女性のライフコースと性差を踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的な推進」に向けては、8つの研究室を立ち上げたと説明した。
- 女性の健康推進研究室
- 女性のライフコース疫学研究室
- ヘルスインフォマティクス研究室
- 女性免疫バイオメディカル研究室
- 先端医用工学室
- 女性内分泌学研究室
- 女性生殖医学研究室
- 女性ライフストレス制御研究室
天野氏は、性差医学・医療が誕生した米国における女性の健康研究の状況と、日本に性差医学・医療が導入された2000年代からこれまでの歩みを紹介した。同氏は1999年に性差医学・医療の概念を国内で初めて紹介し、2002年に、性差医療医学研究会と性差医療情報ネットワークを立ち上げた。全ての医学研究領域で性差視点が取り入れられ臨床現場に生かされることを目指しており、性差を考慮した女性医療の実践の場として、国内における女性外来の普及に努めてきた。同氏は最後に、女性の健康総合センターが日本版ORWHとして機能することに期待を寄せ、講演を結んだ。
小宮氏、天野氏、加藤氏の3者対談では、女性の健康を阻害しているもの、女性の健康推進促進や他職種連携の必要性などについて意見を交わした。ライフコースアプローチの重要性についても触れ、妊娠期や高齢期の健康やQOL向上に向けては、胎児期や思春期における健康づくりが必要だとした。
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