行動変容を促せた事例「乳がん検診」編

(記事公開:2015年10月,最終更新2016年6月)
喫煙やお酒の過剰摂取、遅い時間に高カロリーの食事を摂るなど、今の習慣が病気のリスクを高めるかもしれないと分かっていても、その習慣を変えることは難しい。医療・健康分野では「行動変容をどのように促すか?」がキーワードになる。先進国の中でも乳がん検診受診率が低いと言われる日本女性の受診率を上げた事例=行動変容を促せた事例をご紹介したい。

乳がん検診の受診率を3倍にした佐川急便の取り組み

女性に配慮した職場環境づくり・健康管理・育児制度の充実を目的に佐川急便が始めた取り組みは、職場に乳がん検診車がやってくる、というもの。職場で、しかも勤務時間中に受診できることもあり、乳がん検診の受診率が3倍に増えたそうだ。「女性が乳がん検診を受けない理由」の一つでもある「行った方が良いのは分かってるけど…検診に行く時間がない」を解消している事例だ。

痛くない検査で受診率を上げたクリニックの取り組み

女性が検診を遠ざけるもう一つの理由「痛い」を改善したのが、新しい検査機器(PEM)を導入して女性に喜ばれている宇都宮セントラルクリニック。従来の検査時の痛みが大幅に軽減されているという。全国の病院でPEMが導入されるようになれば、受診率は上がるだろう。

行動変容を促す解決策は「行動変容を阻んでいる原因」を見つけ出すことから

死亡者数やリスクなどガンの現状に関する情報発信やイベントなど啓発運動を行っても、よほど身近でガンを意識する出来事がない限りそれは多くの人にとって「他人事」になりやすい。あるいは興味関心があっても、「痛みへの恐怖」や「時間の制約」があれば行動を起こすことは難しくなってしまう。行動変容を促すためには、行動変容を阻んでいる要因を見つけ出し、問題を排除するあるいは代案を提案するべきだろう。

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増える乳がん検診受診者 麻央さんが遺した影響は大きい

乳がん検診の受診率は日本は欧米諸国と比較して低いと言われてきた。

  • アメリカ・・・80.4%  (2010年)
  • イギリス・・・72.6%  (2011年)
  • 日本・・・27%     (2013年)
    (oecd health date 2013 国民生活基礎調査調べ)

しかし2017年6月22日に亡くなった小林麻央さんが遺した女性たちへの影響は非常に大きく、乳がん検診受診率はこれから日本でも大きく伸びていくかもしれない。実際、麻央さんが乳がんを公表しブログを開始してから、乳がん検診受診者は増えているという。先日の麻央さんの訃報で行動を起こす女性もいるはずだ。麻央さんは多くの女性の命を救ったのかもしれない。

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