企業が多用する「女子会」サービスは本当に女性の気を惹けるのか?

「女子会焼肉プラン」「女子会ツアー」「スパで女子会」「女子会バスツアー」などなど。今は女性が集まればそれは「女子会」だ。ここ数年、各企業が女性客を呼び込むキーワードとしてサービスやプラン名に「女子会」を銘打っているが、「女子会という言葉を使っとけば女性は振り向くだろう!」という企業側の判断は安易なのかもしれない。

「女子会は嫌い」が約半数の40%

企業は女子会が好きだが、果たして、実際の女性たちは女子会は好きなのだろうか?「女子会は好きですか?」というアンケート調査で、実に約半数の40%が「嫌い」と回答したことが分かったのだ(マイナビウーマン調べ 22~34歳の128名の女性対象)。約半数が女子会嫌いという結果を考えると、これからは安易に「女子会」戦略を立てない方が良いかもしれない。

女子会好き派の意見

・「なかなか、女子で途切れぬ話をする機会がないから」(32歳/学校・教育関連/技術職)

・「いろいろなことをおしゃべりして、ストレス発散できるから」(29歳/学校・教育関連/専門職)

・「たまになら女子力を高められるのでよい」(28歳/建設・土木/技術職)

・「新しい情報が刺激になる。自分だけでこもってると進化がない」(30歳/商社・卸/事務系専門職)

女子会は、実は男性とのデートよりもオシャレに気をつかう場所であったりするので、女子会の方が気合が入るという女性も意外に多い。

女子会嫌い派の意見

・「人の悪口や愚痴ばかりで、時間の無駄」(27歳/不動産/販売職・サービス系)

・「結局誰が1番幸せかランキングになる」(32歳/学校・教育関連/事務系専門職)

・「女の人と大勢で群れるのが面倒」(27歳/金融・証券/営業職)

・「思ってもいないことに同調しなければいけないのが面倒」(29歳/ソフトウェア/技術職)

・「友だちとも環境がちがうので共通の話題がなくなってきた」(28歳/生保・損保/秘書・アシスタント職)

ターゲット年齢・ライフステージを考慮して「女子会」を使い分けよう

企業は「女子会」の提案が好きだが、女性たちはそうでもない。という結果を意外に感じる読者も多いだろう。サンプル数が少ないため女性全体の傾向として捉えることはできないが、女性マーケティングの視点から考えると、この結果は予想通りだ。既に女子会サービスを提供している場合も検討中の場合も、ターゲット年齢とライフステージを考慮した上で再考する必要がありそうだ。

独身(仕事)・結婚・妊娠・出産・子育てという各ライフステージで女性は大きく消費行動や価値観が変化する。そうすると、例えば同じ42歳の女性でも以下の4人は全く異なる価値観・お金の使い方・時間の使い方をする。以下4人の女性の集まりを想像しながら読み進めていただきたい。

  • ワーキングシングル
  • 子持ち専業主婦、育児のために離職
  • Dinks
  • Dewks、パートタイマー

学生時代は話がよく合い仲良しグループだった4人。しかし今は全く異なるライフステージにいるため、興味・関心の対象や話題は異なり、学生時代のようには話がガッチリとかみ合わない。例えばこのようなイメージだ。

ライフステージが異なる4人の女性の心の中をのぞいてみると…

独身

週末デートで利用したいオシャレレストラン、海外旅行、ショッピング、美容、仕事のスキルアップなどの自分磨きなどについて話したい。男性と出会えるパーティも好き。「子育ての話には興味が持てないし、幼稚園の話やママ友の話ってよくわからない」

子持ち専業主婦、育児のために離職

子供の幼稚園の話や、ママ友の話、子供のお誕生日会の準備の話、家計のやりくり、旦那の愚痴などを話したい。「海外旅行やデート、自分磨きなんて私には遠い昔の話…。私とは住む世界が違う」

Dinks

夫とオペラ鑑賞、投資で増えたお金で2台目の車を購入したい、夫と次の休暇に行く旅行先などについて話したい。「パートとか、子育てとか、旦那の愚痴とか興味ないな…」

Dewks パートタイマー

家事に育児に仕事に毎日が大忙し!家のことと仕事を両立させる苦労や工夫、節約術について話したい。「皆と集まって話すのは楽しいけど、おしゃべりのために3時間もお茶するなんて時間の余裕はない!しかも、誰も私の話に共感してくれない!」

女性は選択したライフステージで価値観がこのように大幅に変わってしまうため、女子会といっても一概に楽しいとは言えないのである。話が合わないからだ。女子会戦略を使うなら、まだ価値観に大きな差が出ていない若い世代を対象に(10代~20代中盤)、あるいは50代後半以上に適用するのが良い。50代後半が女子会と親和性が高いのは、再び共通の価値観を持つようになるからだ。子供がいる女性も育児が終わり、仕事を持つ女性も退職を間近に控えている。それまでそれぞれのライフコースをたどっていた女性たちだが、「老後」に対する意識は共通して強くなる。それまで家族や仕事にエネルギーを注いでいたが、再び「自分自身」に目を向けるようになることで、友人との交流も求めるようになる。

女子会が響かない層には「一人」で過ごす提案を

では、女子会が響きづらい層にはどういった提案が良いのか?それは「一人でゆったり過ごせる」提案だ。現代人のストレスのひとつは「常に人とつながっている」こと。職場や職場以外の人間関係の他にもSNSで常に誰かとつながっており、一人で静かに自分時間を過ごす機会は意外と少ない。人とのつながりに疲れ果てている女性に更に「女子会!」と提案したところで、常に興味を惹き続けるのは難しい。

自社がターゲットとする女性のライフステージとその特徴を考慮した上で、「女子会が響く層か?」「敬遠されてしまう層か?」を見極めるようにしたい。後者の場合は、「一人型(いわゆるお一人様のことだが、言葉の使い方には気を付けよう)」を検討してみるのも良いだろう。

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