AIによる「おすすめ機能」、女性消費者はどう感じている? 年齢で顕著な差(10〜80代)
AI技術の進展で、企業側は消費者個々に適した情報や商品を提案できるようになり、ECマーケティングの精度は飛躍的に向上したが、実際のところ、女性消費者はどのように感じているのか?年代によって、受け止め方は違うようだ(消費者庁「令和5年度 消費者意識基本調査」)。
「ネット上に自分に合わせた情報が表示される」、認知に年代差
消費者庁が15~80歳以上の女性 2,937人に、「インターネット上で、自分に合わせた情報が優先的に表示される場合があることを知っているか」の質問に、「知っている」と回答したのは77.2%で、全体の認知率は高いことがわかった。だが年代差が見られ、10代~50代は8割を占めるものの、60代以降で認知率が低下し、80代は3割程度に留まった。
- 15~19歳:83.5%
- 20代:88.4%
- 30代:86.7%
- 40代:84.8%
- 50代:80.0%
- 60代:67.8%
- 70代:49.4%
- 80代以上:30.5%
「AIによる“おすすめ表示機能”は便利」、4割
前述の質問で「知っている」と回答した女性に、「『おすすめ』が表示される機能は便利だと感じるか」尋ねたところ、「当てはまる(※)」と回答した女性は41.4%だった。若年層ほど「おすすめ」が表示される機能は便利だと感じる女性の割合が高く、最多は10代後半で75.9%、次いで20代(56.9%)、30代(49.0%)と、年齢とともに低下する。高齢層は3割に満たず、60代(28.7%)、70代(19.5%%)、80代(25.0%)。
長年の消費経験を豊富に積んでいることから、好みの多様化が顕著な高齢女性の心を掴むのは容易ではない。マーケターのあるある課題だが、どうやら、AIも同じ課題に直面しているようだ。現時点では、おすすめ機能は若年層との相性の方が良いと言えそうだ。※「とても当てはまる」「ある程度当てはまる」の計
他、消費者意識基本調査では、AIによるおすすめ表示機能について「個人情報の漏洩につながる気がする」と回答した人の割合や「AI活用のために、位置情報、履歴、趣味・嗜好等必要以上の情報を収集されていると感じる」人の割合など、パーソナルデータの利用に対する消費者の意向等の調査結果も掲載している。
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