就業世代の健康状態・対処状況・仕事への影響を明らかに、2万人調査(男女20〜60代)
内閣府は今月、就業世代の健康課題を性別・年代別に明らかにした「令和5年度 男女の健康意識に関する調査」の報告書を公表した。就業世代の健康づくりは生産性向上はもとより、その後の健康寿命延伸やウェルビーイング、公的医療・介護費用の削減にもつながることから、各事業者の健康経営への投資を促進しようと、職業生活における健康課題や困難、ニーズ、プレゼンティーズム損失割合、家事・育児・介護への影響などをつぶさに調査した。調査対象は、全国の20〜60代の男女2万人(正規雇用労働者、非正規雇用労働者、その他の有業者、無業者)。
企業の昨今の重点課題とされている女性特有の健康課題に関する質問を充実させており、とりわけ課題規模が大きいとされる生理と更年期について詳しく聞いているが、要注目は、健康全般に関する意識や行動に関する質問。現在の健康状態、働く上での気になる症状・不調、対処状況、対処できていない理由、健康課題による困りごと、健康を維持するために優先したいことなどについて、性別・年代別の傾向を明らかにしている。
調査結果を踏まえ調査検討委員会の山本勲氏(慶應義塾大学 商学部 教授)は、「健康課題への取り組みは、性別や年齢といった属性による違いに注目するだけでなく、属性を超えた個々の状況の違いに注目することも重要」と、健康課題の多様性に対する配慮の必要性を強調した。全質問項目は以下。
- 自身の健康状態に対する認識
- 1か月の間で気になる症状
- 1か月の間で最も気になる症状
- 最も気になる症状があった時の仕事の出来
- 最も気になる症状があった時の家事・育児・介護の出来
- 最も気になる症状への対処法
- 最も気になる症状に十分に対処できているか
- 最も気になる症状に十分に対処できていない理由
- 心理的なストレス(K6尺度項目)の状況
- 体調が悪い日の頻度
- 1年以内の健診等の受診状況
- 健康状態を良い状態に保つために優先してしたいこと
- 健康課題による仕事への影響・支障の有無
- 働く上で健康課題が気になったときの症状・不調
- 働く上で健康課題に関して困ったこと
- 働く上での健康課題や困りごとに対する改善策
- 昇進意欲
- 管理職として働きたいと思える環境や要素
- 勤務先の健康経営取組度
- 健康や休暇に関する制度などの使用意向と使用経験
- 女性特有の健康課題に対して職場にどのような配慮があると働きやすいか
- 女性特有の健康課題に関する知識を得るための取組経験有無
- 病気や体調不良、生理による休暇取得日数
- 生理に関するイメージ
- 1年間の生理の状況
- 生理に関わる不調による生活への支障
- 生理に関わる不調への対処法
- 職場で生理に関して困った経験
- 生理での困りごとに関する工夫
- 生理に関わる不調による支障へのイメージ
- 更年期障害に関するイメージ
- 更年期障害に関わる症状の有無
- 更年期障害に関わる症状による生活への支障
- 更年期障害に関わる症状への対処法
- 体調が悪いときの仕事の出来
- 生理による不調がつらい時の仕事の出来
- 更年期障害による不調がつらい時の仕事の出来
- 1日の時間の使い方
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