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世界の男女格差120位に納得、日本人が感じる男女格差のリアル

世界経済フォーラム(WEF)は先月31日、世界156カ国の男女格差をランキング化した「ジェンダーギャップ指数」を発表した。日本は120位。前回調査の121位から1つ順位を上げたものの、相変わらず先進国で最下位という結果となった。各メディアの報道に、ネット上では日本の順位やランク付けの手法を疑問視する声も上がっているが、この発表を通じて考えたいのは、日本には男女格差が残っているという事実だ。実際に日本人自身も7割が男女格差を感じていることがわかっている。では、日本人はどんな場面で男女格差を感じているのか?

男女格差、分野別ランキングと達成度

ジェンダーギャップ指数は医療、経済、政治、教育の4分野で各国の男女格差を分析して出したもので、ランキング形式で公表している。以下が日本のランキング。なお( )内の%は男女平等の達成度を表している。教育・医療については100%に近い数字を達成できているが、経済・政治分野では達成度が低い。特に政治分野が顕著で、わずか6.1%しか男女平等を達成できていない。

  • 総合…120位(65.6%)
  • 教育…92位(98.3%)
  • 医療…65位(97.3%)
  • 経済…117位(60.4%)
  • 政治…147位(6.1%)

ランキング上位を占めたのは今年も北欧諸国で、トップ20は以下。

  • 1位:アイスランド
  • 2位:フィンランド
  • 3位:ノルウエー
  • 4位:ニュージーランド
  • 5位:スウェーデン
  • 6位:ナミビア
  • 7位:ルワンダ
  • 8位:リトアニア
  • 9位:アイルランド
  • 10位:スイス
  • 11位:ドイツ
  • 12位; ニカラグア
  • 13 位:ベルギー
  • 14 位:スペイン
  • 15 位:コスタリカ
  • 16 位:フランス
  • 17 位:フィリピン
  • 18 位:南アフリカ
  • 19 位:セルビア
  • 20 位:ラトビア

世界ランク120位に納得のデータ

毎年日本でも話題になっている、このジェンダーギャップ指数。過去最低ランクとなった前回の発表では、「集計ミスでは?」「日本ってそんなに格差ある?」とネット上で騒ぎが起きたが、集計ミスがあったとしてもなかったとしても、それ以前に、先日の森氏の女性蔑視発言の波紋が国内外で広がった通り、日本の男女格差は世界で周知の事実。国内の世論調査でも「男性の方が優遇されている」と感じる人が7割以上いる。

閣僚に占める女性の割合、日本は151位

ジェンダーギャップ指数とは別に、世界的に見て日本の男女平等がどれだけ遅れているのかを理解できる国際比較のデータがある。

先月、列国議会同盟(IPU)と国連機関のUN Womenが「Women in politics: 2021」のマップを作成・公開した。これは2021年1月1日時点で、政治分野で占める女性の世界ランキングを示したもの(193カ国)。UN Womenによると、女性の元首・政府首脳がいる国の数や女性閣僚の世界シェアは過去最高となったとのこと。だが世界全体で見ると、依然、男女格差は解消されていない。

マップでは閣僚を占める女性の割合もランキング化している。閣僚の50%以上を女性が占める国は、193カ国中わずか13カ国(以下)。日本は閣僚に占める女性の割合は10%で、151位。これを見ると、ジェンダーギャップ指数の政治分野147位も頷ける結果だ。

  • 1位:ニカラグア(58.8%)
  • 2位:オーストリア(57%)
  • 2位:スウェーデン(57%)
  • 2位:ベルギー(57%)
  • 5位:アルバニア(56%)
  • 6位:ルワンダ(54.8%)
  • 7位:コスタリカ(52.0%)
  • 8位:カナダ(51.4%)
  • 9位:アンドラ(50.0%)
  • 9位:フィンランド(50.0%)
  • 9位:フランス(50.0%)
  • 9位:ギニアビサウ(50.0%)
  • 9位:スペイン(50.0%)
  • 151位:日本(10%)

 

女性の約8割が「男性の方が優遇されている」

ジェンダーギャップ指数も、Women in politics: 2021も、国外の機関による格付けだ。「『世界から見た日本』と『日本にいる日本人が見た日本』では、乖離があるのでは?」といった類の声をネット上でしばしば見かけるので、次に、日本人自身が日本で感じる男女格差を紹介したい。結論から言うと、日本人自身も、男女ともに日本の男女格差を感じている。

内閣府が行った世論調査(※)では、「社会全体を見て男女の地位は平等になっていると思うか?」という質問をしている。これに対し「男性の方が優遇されている」と回答した人は74.1%にも上った。なお男女別で見ると、男性は70.2%、女性は77.5%。女性の方が男性優遇の現状をより強く感じていることがわかった。(※)男女共同参画社会に関する世論調査(令和元年度),対象は18歳以上の男女5,000人

もう少し掘り下げて分野別の調査結果を見てみよう。以下は「男性が優遇されていると思う」と回答した人の割合の分野別。ここでもやはり、トップは政治分野。社会通念、職場、法律・制度面、家庭生活においても、男性が優遇されていると思う人の割合が多いことがわかった。

  • 【分野別「男性が優遇されている」と答えた割合】
    1位:政治(79.0%)
    2位:社会通念・慣習・しきたり(70.1%)
    3位:職場(53.4%)
    4位:法律・制度(46.9%)
    5位:家庭生活(44.9%)
    6位:自治会・PTAなどの地域活動(34.7%)
    7位:学校教育の場(18.5%)

ジェンダーギャップは、これまでの慣習の結果

先進国に住んでいると生活に不便がないこともあり、普段の生活の中で日常的には男女格差を感じないかもしれない。勤め先企業によってもその感覚は異なり、女性ワーカーが占める割合が高い企業や外資系企業に勤めている人の場合、「世間が騒ぐ程には男女格差を感じない」と思っている人は多いかもしれない。あるいは、男女格差に慣れてしまい問題意識が顕在化していない場合もあるだろう。だが各データが示す通り、日本では男女格差が未だ残っており、特に女性がそれを感じている。

世界経済フォーラム(WEF)によると、世界から男女格差がなくなるのは133年後。残念ながらこの記事を読んでいる大人世代は、男女平等の世界を自分の目で見ることはほぼ不可能だが、今後の個々の意識や動き方次第では、数年〜数十年ほど早めることもできるかもしれない。

世界経済フォーラム日本代表の江田麻季子氏は、世界経済フォーラムの記事「日本におけるジェンダー・ギャップ、解消への道」の中で次のように述べている。

ジェンダーギャップは私たちの社会経済活動が長年にわたり積み上げてきた慣習の結果として存在しており、何もしないで自然に解消されることではありません。(中略)ジェンダーギャップの解消のためには、その解消を目指すという強い決意と社会全体の構造変革が求められます。

 

 

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