コスメ・美容の総合サイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルが、2025年上半期の美容トレンドを発表した。アットコスメに投稿されたクチコミや、同社運営の実店舗での売り上げの分析、ユーザーアンケートなどから６つのトレンドを予測しキーワード化した。

• #気まぐれ天気プチ直し
• 貼るコスメ
• 血色感リンクメイク
• じゃら×２チャームコスメ
• ぷるんリップ界隈
• おうちで韓流肌管理

【出典】アイスタイル（2025年上半期の美容トレンド、６キーワード）

ヘルスケア業界も注目しておきたい新トレンドは、「#気まぐれ天気プチ直し」。東京では11月にも季節外れの夏日を観測し、いつまでも終わらない残暑や急なゲリラ豪雨、線状降水帯など、2024年は”気まぐれな天気”に悩まされてきた。気まぐれな天気は今後も続くと予測される中、企業のオフィス回帰の流れなども後押しし、美容分野では、メイクやヘアの「お直し」ニーズが高まっていくと見ている。

今年11月に同社が実施した化粧品に関するユーザーアンケートでは、全体の35.3％が「ゲリラ豪雨など不安定な天候が原因で化粧や髪の乱れが気になることがあった」と回答し、全体の39.4%が「湿気に強いアイテムが気になるようになった」と回答したという。

また、例年であれば11月に聴取するユーザーアンケートでは「化粧直しが減った・しなくなった」と回答する人の割合が増加するが、今年は５月のアンケートと同程度の回答率に。季節による回答率の増減は見られず、気候の変化によって”お直し需要”が通年化していく可能性が垣間見える結果となった。

こういったニーズに応えようと、新たな商品が各社から登場。例えば、駅ビルの化粧室などヘアアイロンを外出先でレンタルできるサービス「ReCute（NTTドコモ発のスタートアップ株式会社ReCute）」、汗や湿気で崩れた前髪をさっとお直しできるパウダー「SSビオリス ボタニカル前髪お直しパウダー（コーセーコスメポート株式会社）」の一例。

【出典】アイスタイル（お直しニーズに応える商品一例）

“気まぐれな天気”が消費者のトレンドやニーズに影響するのは、美容業界だけではない。アパレル業界や飲食業界をはじめ、多様な業界でも影響が見られ、健康業界は最たる例。異常気象による健康への影響に対する指摘は世界的に強まっており、日本においては、例えば熱中症やそれによる死亡数の増加がわかりやすい例だ。日本医療政策機構が日本の医師を対象に実施した調査では、今後10年間で懸念される気候変動の影響による健康リスクとして、「呼吸器疾患」「熱関連疾患」「寒冷に伴う疾患」「洪水・台風・地滑り・山火事など異常気象による外傷」「不安・うつ病」などが挙げられた。

異常気象によるニーズの変化と、それに伴う新たな商品・サービス開発は、美容業界のみならず健康業界でも急速に広まっていく気配だ。2025年は「天候×健康」の消費者の意識・行動・ニーズ変化と、新たなソリューションの登場に要注目。

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