ヘルスケアビジネスの商機発見・新規参入に、おすすめ書籍3選

女性ヘルスケア市場をウォッチし続けるウーマンズラボ編集部が厳選、おすすめの良書を紹介するコーナー。今回のテーマは「ヘルスケアビジネスの戦略」。業種問わずあらゆる企業がヘルスケア市場に参入するなか、自社は何を強みに戦うべきか?どの領域を狙うべきか?ヘルスケア市場への新規参入を考えている企業はもちろん、すでに参入している企業が新たに事業開発する際にも読んでおきたい必読書。ヘルスケアビジネスの全体像・課題・商機が見えてくる、コンサルティング会社による3冊をご紹介。

異業種からの参入、戦略は3パターン

あらゆる業種が今後はヘルスケア事業者になり得るという持論のもと、経営コンサルティングで企業支援を行うP&E DIRECTIONS(東京・中央)が、異業種からの参入における戦略を多様な視点からロジカルに解説。特に参考にしたいのは「異業種プレイヤーによるヘルスケア領域への参入形態(p.41〜)」。同社は異業種プレイヤーについて、「多くは、既存ビジネスの足場を活用して生活の中に入り込み、健康な生活者の健康維持を目的とした製品・サービスの提供で参入している」と分析しており、既存ビジネスにヘルスケアビジネスを取り込むパターンを「拡張型」「組み合わせ型」「取り込み型」の3つに類型化。帝人や富士フイルムなど、実際に異業種からヘルスケアに参入した事例も紹介している。

 

新規事業を実装・成長させるための戦略的ステップ

デロイトトーマツコンサルティングによる、ヘルスケアビジネスの実践的な戦略書。ヘルスケア業界を、「他業界の常識や勝ちパターンをそのまま援用しづらい独特な領域」と表現し、ヘルスケアビジネスの社会実装や成長を阻む業界の本質的な課題を踏まえながら、新規事業開発を成功裏に導くためのステップを多角的な視点から詳細に解説している。ヘルスケアビジネスの特徴、落とし穴、エビデンス構築のポイントは、特に参考になるので要チェック。新規事業を立ち上げる際の企画書作成や、ソリューション開発、マーケティング設計の段階で常時手元で確認したい一冊。本書は、これまでヘルスケア領域を主戦場としてこなかった企業や、新しいヘルスケアモデルに挑む医薬品メーカーや医療機器メーカーなどの新規参入者を対象にしているが、以下を読んで「グサリ!」ときたなら、参入済み企業にもおすすめ(本書の「はじめに」より抜粋)

 

本領域に新規で参入しても期待した通りの事業に成長させられずに苦労しているケースが多い。いざヘルスケア事業に携わり始めると、悩みは尽きないところである。結果、自社に現在存在する必ずしも競争力があるとは言えない技術・サービスをどうにか当てはめることに躍起になってしまったり、目についたスタートアップの買収・提携、実証実験の実施、自治体との連携の締結などといった「アクション」から始まってしまうなど目指している社会課題解決やビジネス創出にたどりつけないケースもあるように見受けられる。(引用:未来を創るヘルスケアイノベーション戦略)

 

 

限界を迎えた日本のヘルスケアシステムの現状と、未来のあるべき姿

最後は、アクセンチュア監修のムック本。少子高齢化、長寿化、人口減、年々増加する医療費、深刻になる老老介護、介護人材不足…。人生100年時代を迎えたことで、従来のヘルスケアシステムでは人々の健康・医療・介護を社会全体で支えることが難しくなってきた。限られた国家予算や医療資源を前提に、これからのヘルスケア産業には、どのような変革が求められるのか?企業各社がすべきことはーー?

変化する日本社会の構造を外観しながら、“現在のヘルスケアシステム”が孕む課題に触れ、“未来にあるべきヘルスケアシステムの姿”を提言していく。ビジネスの具体的な戦略ハウツーをまとめた教科書的な前出の2冊とは毛色が違い、本書は、読み物的。商機や参入領域を見定めるのに役立つ。

 

 

 

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