「子どもの自殺」過去最多で対策強化 文科省がアンケートマニュアルを初めて作成

7月10日、文科省はこどもの自殺対策として、生徒のSOSを早期に把握するためのアンケートフォーム作成マニュアルを初めてつくり、全国の教育委員会などに通知した。

厚労省の統計によると、2022年の小中高生の自殺者数は514人(小学生17人、中学生143人、高校生354人)と過去最多で、これを受け政府は子どもの自殺対策を緊急強化しているこどもの自殺対策緊急強化プラン)。18歳以下の自殺は長期休業明けにかけて急増する傾向があることから、夏休み前から夏休み明けまで切れ目なく対策を強化するよう呼びかけた。

マニュアルでは、小中学生に配布された1人1台のタブレット端末を活用して、生徒の心や体調の変化・いじめの有無などを把握するためのシステムを複数紹介。またGoogleフォームやMicrosoft Formsなどを活用したアンケートフォーム作成方法も詳細に解説している。

子どもの自殺の原因・動機は、「不詳」を除けば、男女ともに小学生は「家庭問題(女子38.3% , 男子35.9%)」の割合が最も高く、中学生は「学校問題(女子38.6% , 男子31.0%)」。高校生で性差が顕著になり、女子は「健康問題(31.8%)」、男子は「学校問題(35.6%)」が最多。女子高校生の「健康問題」の内訳トップ2は「うつ病(13.6%)」「その他の精神疾患(11.4%)」で、メンタル問題が動機となりやすい。一方、男子高校生の「学校問題」の内訳トップ2は「学業不信(13%)」「その他進路に関する悩み(11.9%)」で、学業や生き方の悩みが動機になりやすい。小中高生それぞれの自殺の原因・動機は、男女別に「自殺の理由、顕著な性差は高校生から 小中高生の男女別の原因・動機」に掲載。

 

 

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