世界のサービスロボット市場、2024年は2,070万台 費用対効果の高い分野で導入進む
矢野経済研究所は今月、世界のサービスロボット市場に関する調査結果を発表した。2024年の世界の出荷台数は、2,070万7,100台と推計。各国でサービス業の人手不足や賃金上昇が進行したことや、生成AIにより幅広い用途でロボット性能が向上したこと、また、導入拡大による費用対効果の向上などが普及を後押しした。
サービスロボットは家庭用と業務用に大別され、清掃・教育・医療・福祉・介護・物流・農業・建設など、幅広い分野で活用されている。費用対効果の高い分野で特に導入が進み、例えば飲食店では、配膳ロボット導入により雇用コストを大幅に削減できている。一方で配送や警備、調理の分野などでは、生産性や省人化において導入後すぐの費用対効果が見込めないことから、実証実験にとどまり本格導入に至らないケースが目立つ。こうした中、米国や中国では短期的な費用対効果を求めず、KPIを「継続使用率」や「改善寄与率」に設定。中長期的な視野で、研究開発を進めている。
市場は今後堅調に拡大する見込みで、同社は、2030年には3,026万台規模にまで拡大すると予測している。
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