健康・機能性食品の市場規模2,496億円、紅麹問題による影響は軽微も国内市場は鈍化 アジアでの展開が活発に
矢野経済研究所は今月、2023年度の健康・機能性食品44素材(※)の市場調査の結果を発表した。前年比2.9%増の2,496億1,100万円で、市場は引き続き緩やかな拡大傾向に。44素材の合計流通量は前年比1.0%増の9万4,553トンで、一般食品用途での利用が後押しした。
- 2022年度…2,424億8,300万円
- 2023年度…2,496億1,100万円
- 2024年度…2,563億4,300万円(見込み)
- 2025年度…2,611億9,000万円(予測)
2024年度は紅麹問題による定期購入の停滞や制度対応により、機能性表示食品の届出件数の鈍化や素材供給量の低下が見られた一方で、機能性表示に依存しない素材や、既存素材の新分野への展開が活発化した。国内市場の成長鈍化を背景に、台湾・香港・タイ・ベトナム・インドなどアジア地域への輸出も進んでおり、美容素材や整腸作用を持つ菌末製品、オリゴ糖などの食物繊維の需要が高まっている。各国の規制対応やハラール認証取得といった課題への取り組みも広がる。紅麹問題の影響は一部にとどまり、市場全体への影響は軽微とみられ、今後も穏やかな成長基調が続く見通し。
(※)アスタキサンチン、イチョウ葉、ウコン、HMB、エクオール、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)、L-アルギニン、L-カルニチン、L-テアニン、大麦若葉、オルニチン、肝臓加水分解物、キチン・キトサン、GABA(γ-アミノ酪酸)、グルコサミン、桑葉、コエンザイムQ10、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、セラミド(天然由来)、DHA・EPA、難消化性デキストリン、大豆イソフラボン、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、BCAA、プラズマローゲン、プラセンタ、ブラックジンジャー、ブルーベリー(ビルベリー)、プロテイン(植物由来)、プロテイン(乳由来)、プロテオグリカン、プロポリス、ヘスペリジン、ヘム鉄、マカ、松樹皮、ラクトフェリン、乳酸菌・ビフィズス菌、ルテイン、レスベラトロール、ローヤルゼリー、緑茶抽出物(カテキン)
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