世界のマーケティング責任者の７割が「生成AIに年間1,000万ドルを投資」、次の重点投資領域は？
ボストン・コンサルティング・グループが、アジア、欧州、北米のさまざまな業界のCMO（最高マーケティング責任者）200人に実施した、生成AIに関する調査結果をまとめた。調査では、マーケティング領域における生成AIへの関心はこれまでになく高まっており、懸念や拒絶感は急速に低下していることがわかった。
生成AIへの不安は低下、今後３年間の投資額は増加へ
「今後３年間で生成AIに年間1,000万ドル超を投資する計画」としたCMOは、昨年の57％から大幅に増加し、71%に上った。生成成AIが業務に与える影響について「楽観的だ」と答えたCMOは83％に上り、2023年の74％から増加。一方で不安・懸念・拒絶感といったネガティブな印象は急速に低下しており、「不安・懸念を感じている」と回答したCMOは、2023年の46%から23%に減少した。
生成AIが最も大きな変革をもたらしたと感じる分野を聞いた質問では、３分の１超のCMOが「顧客体験」や「パーソナライズされたコンテンツの質・量」が向上したと回答。一方で、当初期待されていた生産性向上などの面においては評価が低下しており、「生産性の向上」「人手を必要とする作業の減少」「コンテンツ作成のスピード」を挙げたCMOは昨年より減少した。
【出典】ボストン・コンサルティング・グループ
今後の重点投資３領域
生成AIの活用において今後CMOが重視する領域についても調査しており、同社は「今後はコンテンツ作成（特に動画や没入型メディア）、パーソナライゼーション、AIエージェントの試験導入に重点的な投資が行われる見通し」と予測している。
■動画や没入型メディアのコンテンツ作成
コンテンツ作成における新しい可能性として動画生成を重点領域に上げたCMOは30%に上った。
■パーソナライゼーション
多くのCMOが、商品のおすすめ表示、最適なタイミングでの顧客へのアプローチ、次に届けるべきコンテンツの選定などをすでに本格的に展開している。今後は、個別最適化された特典の提供、顧客の離脱予測、対象顧客層の最適化といった、より高度な取り組みが進められる。
■AIエージェント
BtoB企業のCMOの３分の１、BtoC企業のCMOの４分の１近くが、AIエージェントを優先投資領域に挙げた。
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