“母親の加齢”と“娘の病気”、選択肢は親子共倒れか殺めるか…他
性差ヘルスケアの概念、ジェンダード・イノベーション思考、女性マーケティング発想を身に付けたいビジネスパーソンに向け、今週話題になった女性のヘルスケアニュースを厳選して読み解いていくコーナー。ヘルスケ業界の動向と女性トレンドが見えてきます。
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“母親の加齢”と“娘の病気” 選択肢は親子共倒れか殺めるか…
超高齢社会が生んだ社会問題の一つが、介護殺人。子どもが高齢の親を、あるいは高齢の夫・妻が配偶者を殺めるというニュースを耳にする機会は明らかに増えた。だが今週は、その逆のケースに関心が寄せられた。
発達障害の娘を殺害した73歳の母親の初公判が今月9日に開かれ、事件の背景が明らかになった。娘と2人暮らしをしていた母親は自身も病気(うつ病とガン)を患い、将来の不安から犯行に及んだという。
この事件はヤフーニュースに掲載され、コメント欄には母親に共感する声が多くせられた。中にはこんな声も。「自分も障がいのある娘がいる。自分たち夫婦がいなくなったら娘は生きていけない。その時は一緒に連れて行こうと思う」
障がいのある子どもを親が世話している場合、親の高齢化は大きな問題。親自身が病気を患ったり要介護状態になれば親子共倒れは免れられない。そうなる前の予防策として親が考える選択肢は、「共倒れ」か「殺める」しかないのか?
親の加齢と子どもの病、どうすれば両立ができるのかー。持続可能な解決策が求められる。
過去最多のネイルサロン倒産の理由はコロナだけじゃない、女性のニーズ変化で「儲からない」業態に
帝国データバンクの発表によると、2020年のネイルサロンの倒産が過去最多を更新した。背景にあるのは、ネイルサロン競争の激化による収益悪化、新型コロナによる外出自粛や美容需要減退、女性のセルフニーズ。
ネイルサービス市場は2005年の400億円から1700億円(2018年)へと、大きく拡大した。だが、比較的簡単にネイリストは独立・開業できるため、市場はあっという間に激戦状態に。加えて、セルフ派向けの本格的なネイルキットが充実化してきたことで、時間もコストもかかるネイルサロン通いをやめる女性も近年は増えていた。
時代の変化に新型コロナの影響が追い討ちをかけ、ネイル市場のプレイヤーに大きな変化が起こる気配。
美のダイバーシティで関心高まる、日本・海外それぞれの”白肌信仰”
世界的なダイバーシティ推進で、今、美容系のグローバル企業が相次いで「美しさ」を再定義している。例えば化粧品会社ロレアルは、スキンケア製品から「ホワイトニング」「色白」などの表現を削除する方針を打ち出した。
グローバル企業による動きで、来年は国内でも美の再定義が加速しそうだ。
だがその前にー。闇雲に、”色白”という表現を避けたり美を再定義する前に、”色白”を美しいと見る考え方の何が問題なのか?、海外と日本の”白肌信仰”の違いをきちんと理解しておいた方が良い。多民族国家ではない日本は”カラーリズム”の概念に馴染みがないので、特に知っておきたい(詳細は以下記事で)。
美のダイバーシティに注目が集まる最近、日本・世界の美の価値観や美容史が話題になっている。
- 欧米で見直し相次ぐ「美白」 日本でも多様化する美容を巡る美意識(毎日新聞)
- 過剰な白肌信仰にNO! 美白からの解放を求める世界の声(VOGUE)
- 書籍:平成美容開花: 平成から令和へ、美容の軌跡30年(ポーラ文化研究所)
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