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病院経営の赤字が深刻化、過去20年で最低水準に 求められる「高コスト構造からの脱却」と「新たな収益モデル」

民間病院の経営悪化が鮮明だ。帝国データバンクがまとめた全国の病院経営動向調査(2024年度※)によると、医療活動の利益を示す営業損益が赤字だった病院は61%と前年度から6.2ポイント増え、過去20年で最悪となった。診療所(38.4%)の約1.6倍に上り、利益格差が拡大している。倒産リスクが高まる債務超過の病院は13.6%(前年度9.9%)。高額な医療機器導入に伴う借入増に対し、債務償還に十分な収益を確保できていない状況が続いている。(※)調査対象は民間病院約900法人と、診療所約700法人。

病院経営の約14%が「債務超過」 6割が「営業赤字」に 「診療所」との利益格差が拡大

【出典】帝国データバンク

 

営業利益率の平均はマイナス1.76%と2年連続の赤字で、診療所平均(2.03%)との差は約3.79ポイントに開いた。2024年は診療報酬はプラス改定だったが、人件費や光熱費の高騰、医療材料費の値上がりなどが上回り、「増収減益」に陥った病院が多かった。特に地方病院では人手確保が難しいことから、外来診療などの患者対応力が低下し、病床稼働率の低下や患者減が採算悪化に拍車。四国では7割超が営業赤字となった。

 

病院経営の約14%が「債務超過」 6割が「営業赤字」に 「診療所」との利益格差が拡大

【出典】帝国データバンク

 

人口減少と高齢化を背景に、地方部を中心に医療需要の緩やかな縮小が見込まれているなか、病院経営においては「高コスト構造からの脱却」と、病床数に頼らない「新たな収益モデルの構築」の模索が続いている。ICT・AIの導入による業務効率化や遠隔診療の普及は、特に地方での経営改善に寄与する可能性もある半面、初期投資負担が重いなど課題もあり、地域医療を「どう守るか」が問われている。

 

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