デザインやAIで拓く介護の未来、KAiGOアワード最優秀賞に次世代モビリティなど5作品
介護・ヘルスケア領域の優れた製品やビジネスアイデアなどを発掘・表彰する「KAiGO DESIGN AWARD 2026(KAiGO PRiDE主催)」の授賞式が2月27日、東京ビッグサイトで開催された展示会「ケアショージャパン2026」内で行われ、最優秀賞・優秀賞と特別賞の計12作品が決まった。次世代モビリティや服を着たまま使える洗髪デバイス、ケアロボットなど5作品が最優秀賞に選ばれた。
同アワードは、介護・ヘルスケア分野の製品、ビジネスモデル、AIソリューション、クリエイティブ作品を対象とした表彰制度。高齢化を負担ではなく可能性と捉え、介護現場の課題解決や前向きな生活の実現を目指す挑戦を後押しする狙いがある。2025年に続いて2回目となる今回はイオンリテールと共催し、新設のAI部門を含む4部門を設けた。全国3都市での地方予選を経て決勝進出者を選出。東京ビッグサイトでの体験展示や来場者投票のほか、一部の部門ではピッチコンテストも審査に反映した。
KAiGO PRiDEの代表理事で実行委員長のマンジョット・ベディ氏は「制度や仕組みだけでは人は動かない。現場の切実な声から生まれた挑戦が、高齢化を負担ではなく可能性へと転換し、ポジティブ・ライフの選択肢を社会に増やしていく。このアワードがその起点であり続けたい」と述べた。
各部門の最優秀賞の概要と、マンジョット・ベディ実行委員長の評価コメントは次の通り。
◆プロダクトデザイン部門(ヘルスケア):WHILL株式会社「WHILL Model R」
狭い道でも小回りが得意な電動車椅子。スマホのようにバッテリーを部屋で充電できる手軽さと高い走行性能を両立した4輪スクーター型のモビリティ。デザイン性の高い外観で、福祉機器のイメージからの脱却を目指す。ベディ氏は「移動を”支援”ではなく”自由”に変えたプロダクト。単なるモビリティではなく、『自分らしく生きる力』を取り戻すデザイン」と評した。
◆プロダクトデザイン部門(介護):牛乳石鹸共進社株式会社「SUSUGU」
服を着たままベッドや車いす上で洗髪できるポータブルデバイス。災害時の衛生管理にも対応する。ベディ氏は「洗髪という行為の中にある尊厳をここまで丁寧に見つめ直したプロダクトに敬意を表する。洗髪を新しい”体験”としてポジティブに再設計したデザイン」と話した。
◆ビジネスアイデア部門:三和厨房株式会社「テーブルコーデ」
高齢者福祉施設専用の、汚れがつきにくく美しい光沢が特徴の磁器食器。近畿地方を中心に継続契約率92%を誇り、全国展開を見据える。ベディ氏は「食卓をデザインすることは、その人の生きる意欲をデザインすること。ポジティブ・ライフを体現する取り組み」と述べた。
◆AI部門:パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社「NICOBO」
豊橋技術科学大学の、完璧にタスクをこなすのではなく、あえて不完全な振る舞いをすることで人間の助けを引き出す「弱いロボット」理論に基づくコミュニケーションロボット。介護現場で利用者の笑顔や発話を増やす効果が確認されている。ベディ氏は「テクノロジーは温度を持てると信じている。NICOBOはその象徴であり、これからのテクノロジーの未来像の一つを示している」と語った。
◆クリエイティブコンテンツ部門:戸谷良和「幸せな一日」
彼岸花が咲く土手を老々介護の二人がのんびり歩く情景をとらえた作品。ベディ氏は「ケアとは『支えること』ではなく、『一緒に風景の中に立つこと』だと感じた。ケアの本質を静かに、しかし力強く伝える作品だ」と評した。
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