なければ恥、健康知識はもはや”教養”
アメリカ発の世界的ベストセラーで日本でも話題の「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養」シリーズ。昨年末に第4弾として登場した「1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365(分響社)」が今、人気だ。アマゾンの書籍ランキング「事典・家庭医学百科」のカテゴリーで1位にランクインしている(2020.2.10時点)。
同シリーズの特徴は、1ページに1つの教養トピックが端的にまとめられ、1年分に相当する365トピックが1冊の中に収録されている点。さらにトピックは曜日に合わせ7カテゴリーに分類されている。例えば、シリーズ1冊目となる「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365」では以下のようにカテゴライズされている。
- 月曜日:歴史
- 火曜日:文学
- 水曜日:芸術
- 木曜日:科学
- 金曜日:音楽
- 土曜日:哲学
- 日曜日:宗教
「教養を深めたいが、何から手をつければいいかわからない」「教養とっていもどんな本から読めばいいのやら…数が多すぎる…」と思っている人たちの知的好奇心を刺激し、「網羅的に広く浅く教養を深めたい」というニーズに応えるコンセプトや構成が、アメリカでも日本でもうけているようだ。なんと言っても、1日1ページ読むだけで教養が1つ身につくという手軽さと、小難しい話でも端的に理解できるわかりやすさは、情報収集にせわしない現代人にとって非常にありがたい。
さて冒頭の話に戻るが、このシリーズの第4弾として登場したのが「1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365」。一般的な病気の症状や治療法、健康・医療に関する歴史、予防医学の考え方など、健康にまつわる365個のトピックがまとめられている。曜日別カテゴリーは以下。
- 月曜日:子ども
- 火曜日:病気
- 水曜日:薬と代替医療
- 木曜日:心
- 金曜日:性
- 土曜日:ライフスタイルと予防医学
- 日曜日:歴史
「家庭の医学」のような一覧性・検索性はないので、病気別に症状・治療法を検索できる辞書として手元に置いておきたい人には向かないが、健康・医療の歴史や背景などストーリーを”読み物”として楽しみたい人にとっては興味深い。
世界的な健康ブームと情報化社会の急速な進展により、健康・医療の知識は、もはや医療関係者や一部の専門家や専門企業だけのものではなくなった。高学歴者、仕事ができる人、自己管理能力のある人はすでにヘルスリテラシーが高く、一通りの健康知識は持ち合わせているし、ヘルスケア業界とは関係のない業界のビジネスパーソンも生活者も、皆が驚くほど知識を持ち始めるようになった。
ヘルスリテラシ―とは?
特に、美容と健康がセットで考えられるようになった近年は、一般の女性生活者の健康知識の向上が目ざましい。そんな彼女たちは、オタク的な意味合いを込めて「健康マニア」「健康オタク」と呼ばれたりしているが、そうではなくこれからは、敬意を込めて「健康の教養がある人」と呼ぶべきだろう。これからの時代、健康知識がないと「あの人って、健康の教養ないよね」なんてささやかれるかもしれない。”健康の教養”を磨きたい方は一読を。
【編集部おすすめ記事】
■タバコ吸ってると低学歴に見られる?学歴と喫煙率の関係
■ヘルスリテラシ―の定義と3つの段階
■ヘルスケアビジネスの市場規模・企業事例・領域
■ヘルステック市場規模3,038億円へ(2022年) 企業事例
■予防医療ビジネスの動向・事例
■健康ブームは本当に起きてる?グローバル調査から見る健康意識の変化