ベスコス受賞商品から見えた2023上半期の美容トレンド

化粧品・美容の総合サイト「@コスメ」は今月8日、「ベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ」を発表した。受賞商品の公開と合わせ、上半期の美容トレンドも総括。受賞商品の傾向や@コスメユーザーの口コミ分析から、美容領域における女性たちの新たな消費行動、消費基準、美容ニーズを捉えた。本稿では上半期の美容トレンドに注目。

上半期のトレンド分析

@cosmeが実施する「ベストコスメアワード」は、@cosmeメンバーから寄せられたクチコミ投稿をベースに、生活者が支持している商品を表彰するアワード。2023年の上半期は外出機会の増加やマスク着用の緩和を受け、メイク需要が本格復活の兆しを見せる結果となった。化粧水やクレンジングオイルなど、スキンケアアイテムの受賞がトップ3を占めていた2020年上半期とは対照的に、2023上半期ではメイクアップアイテムのリップとチークがトップ3に。受賞商品から見えてきた上半期の美容トレンドは、次の5つを上げた。

① 商品選択はますます賢く

(1)顔タイプ診断

数年前から流行っている、個々の肌・瞳・唇などの色に合う色を診断する「パーソナルカラー」が進化し、今期は顔の輪郭やパーツの形、バランスなどから似合うメイクや洋服のテイストを診断する「顔タイプ診断」が注目された。

(2)ミドルコスメ

3,000円前後の中価格帯コスメ、少し高めのプチプラコスメ、少し安めのデパコスを意味する「ミドルコスメ」がクチコミの新たなワードとして伸長。

(3)サブスク

美容家電をお試しでレンタルしたり、月額制のサブスクで低価格で使用できるサービスが人気。失敗リスクを最小限にし、余計なモノを持たないエコなライフスタイルにも繋がるとして、美容の新しい消費行動として広がる可能性がある。

② 透明感は首や爪先まで「爆上げ」

透明感を意識するパーツが、顔だけではなく首や爪先などの細部まで広がっている。実際に最近は、化粧下地などのクチコミで「首まで塗る」という声が増加傾向に。

③ スキンケアのニーズは成分・〇〇フリー・角質ケア

近年人気の成分「レチノール」のクチコミ出現率が2020年から未だに右肩上がりで伸長。刺激となる成分が入っていない「アルコールフリー」や、敏感肌の人でも使いやすい「酸化亜鉛フリー」といった「○○フリー」への関心も高まっている。「ビニール肌」という新しい肌悩みのワードも、昨対比200%で伸長。過度なピーリングやスクラブなどの角質ケアによる摩擦で角質層が薄くなり、肌のキメが失われ肌が弱くなっている状態を指し、角質ケアが一般に浸透したことが背景に。

④ マスク着用緩和で、ベースメイクニーズが多様化

ベースメイクのトレンドをみてみると、コロナ禍でのマスク生活で増えた「ノーファンデ派=化粧下地や日焼け止め、フェイスパウダーだけでベースメイクを仕上げるメイク」は、上半期も健在。クチコミ内での「ノーファンデ」というワードの出現率も引き続き増加し、5年で380%と伸長。一方で「ファンデ派」は、コンシーラーとしても使えるファンデーションを評価。マスクの着用が任意になった今、今後のベースメイクのトレンドは二極化が顕著になりそう。

⑤ 新作コスメは形状・素材・技術が進化

上半期は、革新的な商品が続々登場。美容医療で人気のリフトアップメニュー「HIFU(ハイフ)」のような感覚を得られる特殊シートを採用した「HIFU感覚シート(ルルルン)」、自動車メーカーのマツダの塗装技術にインスパイアされたテクスチャが話題になった「クロマティックス クワッド(シュウ ウエムラ)」など、新発想のアイテムがランクインした。以下はクロマティックス クワッドの動画。

 

下半期のトレンド分析

同アワードでは、2023年下半期のトレンド予測も発表している。ヘルスケアマーケティングの参考になるのは、発表された5項目のうち「無加工主義」「スパウトパウチ」「イマーシブ消費」。詳細は以下の記事に掲載。

 

ヘルスケア領域の2023年のトレンドは?

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