女性の不調ランキングと日々の悩み(20〜60代)

女性たちの日々の悩み事や不調って何?若年層から高齢層まで、各年代の特徴をざっくりと掴むのに役立つ調査結果があるので見ていこう。自社のターゲット以外の年代の調査結果にも、ぜひ目を向けてみては。全年代の女性の特徴を知ることで、改めてターゲット女性の理解が進むはず(調査:養命酒「女性の冷えと不調に関する調査2021」20〜69歳の女性1,000人,2021.11)

女性の不調ランキング(20〜60代)

20〜60代の女性1,000人に「日頃、感じている不調」を聞いたところ、女性全体で次の結果となった。トップ3は「疲れやすい」「冷え性」「肩痛・腰痛」。

  • 1位:疲れやすい(45.6%)
  • 2位:冷え性(40.2%)
  • 3位:肩痛・腰痛(38.8%)
  • 4位:寝つきが悪い・眠りが浅い(32.9%)
  • 5位:便秘(30.5%)
  • 6位:頭痛(29.1%)
  • 7位:イライライしやすい(27.6%)
  • 8位:ストレス過多(26.5%)
  • 9位:気分の浮き沈みが激しい(21.8%)
  • 10位:月経トラブル(19.4%)

【出典】養命酒

 

こちらも同様に上のグラフをもとに項目別に年代をランキングしたところ、様々な発見があった。

【日頃感じている不調(複数回答)】
1位 2位 3位 4位 5位
疲れやすい 40代 50代 30代 20代 60代
冷え性 30代 20代 40代 50代 60代
肩痛・腰痛 60代 40代 50代 30代 20代
寝つきが悪い・眠りが浅い 50代 40代 20代 60代 30代
便秘 30代 20代 40代 50代 60代
頭痛 40代 20代 30代 50代 60代
イライラしやすい 40代 30代 20代 50代 60代
ストレス過多 20代 30代
40代
50代 60代
気分の浮き沈みが激しい 20代 40代 30代 50代 60代
月経トラブル 20代 30代
40代
50代 60代

特に押さえておきたいファインディングスは以下。

  • 20代はメンタル関連と月経の不調を抱えている人の割合が高く、「ストレス過多」「気分の浮き沈みが激しい」「月経トラブル」は全年代の中で最多
  • 「疲れやすい」のは40代と50代。仕事・家事・子育てにと抱えるタスクが多く、更年期にあたることも関係しているのだろう
  • 40代は他年代と比べて心・体ともに不調を抱えやすいよう。不調の全項目がトップ3にランクイン
  • 60代は他年代と比べ、不調を抱えている割合が全体的に低い。10項目中8項目において、60代が全年代で最少だった
  • 唯一、60代が1位だった項目は「肩痛・腰痛」

 

悩みランキング(20〜60代)

続いて「どのようなことで悩みを抱えているか?」と聞いたところ、女性全体で次の結果となった。トップ3は「健康状態」「家計」「仕事」。

  • 1位:健康状態(29.2%)
  • 1位:家計(29.2%)
  • 3位:仕事(24.8%)
  • 4位:容姿・美容(20.5%)
  • 5位:生きがい(18.1%)
  • 6位:家族との関係(17.9%)
  • 7位:育児・子育て(13.0%)
  • 8位:家事(11.4%)
  • 9位:恋愛・結婚(10.5%)
  • 10位:親の介護(8.3%)

【出典】養命酒

 

さらに詳細に見ていこう。上のグラフをもとに、項目別に年代をランキングしたのが以下表。この角度から調査結果を眺めると、様々な気づきを得られる。

【悩み事(複数回答)】
1位 2位 3位 4位 5位
健康状態 50代 60代 40代 30代 20代
家計 40代 50代 30代 20代 60代
仕事 20代 30代 40代 50代 60代
容姿・美容 20代 30代 40代 50代 60代
生きがい 20代 30代 40代 50代 60代
家族との関係 50代 20代
30代
60代 40代
育児・子育て 30代 40代 20代 50代 60代
家事 40代 30代 50代 20代 60代
恋愛・結婚 20代 30代 40代 50代 60代
親の介護 60代 40代
50代
20代 30代

ファインディグスは以下。

  • 健康状態で悩んでいるのは年齢的に60代が最多と思いきや、50代という結果に。自分自身や夫の退職や働き方が変わったことで体力的・精神的に楽になり、また、健康づくりに時間もお金もかけられるようになるからか、60代の方が健康状態は良好のようだ。一方で50代はバリバリの現役世代。若い頃よりも体力・健康力が衰えているものの、仕事や家族ゴトのタスクは若い頃と変わらないため、体が悲鳴を上げているのかも。年上である60代の方が元気なのは、そこに要因がありそうだ。ちなみに、高齢層の方が元気な傾向は他調査でも同様に見られ、ウーマンズがコロナ禍で実施した調査新型コロナが女性にもたらした健康二次被害の実態調査,2020.6でも、「コロナによる生活の変化で不調が出た」と回答した女性の割合は、40代・50代よりも60代・70代の方が低かった
  • 家計に悩むピークは40〜50代。教育費、住宅、自動車など大型の消費が増えることが背景にあると考えられる
  • 「仕事」「容姿・美容」「生きがい」に最も悩んでいるのは20代で、30代以降は年齢とともに悩む人の割合は減っていく。20代はこの3項目について「悩んでいる」というよりは、「模索している」「関心が高い」という見方もできるだろう。同じ見方をするなら、加齢とともにこの3項目に悩む人の割合が減っていくのは、「関心がなくなるから」「現状を受け入れるようになるから」という捉え方もできるだろう
  • 全体的に60代は他年代と比べて悩み事が少ない。この傾向は他調査でも明らかになっていて、ウェルビーイングに関する調査で「今の自分の幸せを阻害しているものは無い」と回答した女性は、20〜50代は1〜2割ほどだったのに対し、60代のみ3割と高かった。悩み事が減り穏やかに過ごせるようになるのは、仕事・子育て・大型消費・ローンなど、様々な重責から解放される60代以降だと言えそうだ
  • 60代で他年代よりも悩み事が多かったのは年齢的背景が関係する2項目で、「健康状態」と「親の介護」

 

女性の健康悩み・健康問題がわかる、各種調査

女性の健康悩みに関して、参考になる他のデータもご紹介しておきたい。以下の記事では国民生活基礎調査(厚労省)で公表しているデータをもとに、10〜80代女性の不定愁訴の有訴者率ランキングトップ20を年代別に掲載。女性の不定愁訴に特化したデータではないが、前述の養命酒の調査より項目がはるかに多く、例えば「関節が痛い」「手足のしびれ」「尿失禁」「体がだるい」「息切れ」「目のかすみ」「聞こえにくい」「物忘れ」「歯ぐきの腫れ・出血」「胃のもたれ・胸やけ」「鼻がつまる」「かゆみ(湿疹・水虫など)」なども含んでいる。不調の実態をより詳細につかみたい時に重宝できる。

 

次にご紹介するのは、思春期から老年期までの女性特有の健康問題をライフステージ別にまとめた記事。「摂食障害」「人工妊娠中絶」「性感染症」「産後うつ」「子宮頸がん」「不育症」「早期閉経」「バセドウ病」など、女性特有の病気や、男性より女性に多い病気にかかるリスクが、どのライフステージあるいは年齢の時に高まるのか?を理解できる。女性特有の健康問題を把握するなら、こちらの記事がおすすめ。

 

最後は、10〜80代女性の美容悩みをまとめた記事をご紹介。こちらはウーマンズラボ編集部による視点と、各所の調査結果を用いてまとめたもの。年代別の女性の悩み事や不調を理解する際の補足情報として。

 

 

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ウーマンズは「女性ヘルスケア市場専門のシンクタンク」として、女性ヘルスケア事業の成長・変革を推進するマーケット情報を収集・分析・整理し、最新知見を企業様にご提供。女性ヘルスケア市場に特化してマーケティング支援を行ってきた「豊富な実績」「15年にわたり継続的に行っている調査分析により蓄積した知見やノウハウ」「業界ネットワーク」を活かし、女性ヘルスケア事業を行う産学官の「どうすれば製品・サービスを広く社会に流通させられるか?」の課題解決に取り組んでいます。事業内容は「コンサルティング事業/ビジネスメディア事業/MICE事業/BtoB広告事業」。最新レポートや新着セミナーのご案内、制度変更などヘルスケア業界の重要ニュース、企業様から頂戴する「女性ヘルスケアビジネスあるある相談」への回答など、ニュースレターで配信中。ぜひご登録ください!

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