女性ヘルスケアビジネス専門のニュースレター登録
女性ヘルスケアビジネス専門のニュースレター登録

2026上半期の美容トレンド発表、外部環境の過酷化や美容・健康行動の変化が影響

コスメ・美容の総合サイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルが、2026年の上半期トレンド「2026上半期トレンド予測」を発表した。アットコスメに投稿されたクチコミや、同社が運営する実店舗での売り上げ分析やユーザーアンケートから、6つのトレンドを予測しキーワード化した。

美湯~ティタイム

観測史上最も暑い夏となった今夏は9月以降も残暑が続き、冬は一転して急激に冷え込むと予測されている。夏の疲労を抱えたまま寒暖差の大きい季節に入ることで、心身の不調が懸念される中、ユーザーアンケートでは「寒暖差のある日は疲労感を感じる」と答えた人が52.6%に達した。こうした背景から、バスタイムを「ただ洗う時間」ではなく、美容・リラックス・自分をいたわる「有意義な時間」と捉える動きが広がっており、「そのための時間やアイテムの投資に価値がある」と感じる人は全体の80.6%に。@cosmeでは入浴剤の登録商品数が昨対204%に増加。ライフスタイルや気分に合わせて、しっかりケアできるアイテムと効率良くケアできるアイテムを使い分けながら入浴する“ご自愛入浴”が、新たなセルフケアの形として定着すると予測。

「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」

【出典】アイスタイル

 

先取りパーツケア

エイジングケア市場の拡大が今後も見込まれる中、@cosmeのクチコミでは「老化」の出現率が前年比1.7倍に増加し、ユーザーアンケートでも81.6%が「エイジングケアへの支出を増やしたい」と回答した。背景には大人世代の増加に加え、若年層の早期ケア意識の高まりがある。実際、10~20代でも支出増を望む声は68.4%に達した。

 

 

近年はエイジングケアの関心が「顔全体」から「鼻」や「ほうれい線」などのパーツ・スポットケアへ細分化し、クチコミ上でも「スポットケア」というワードの出現率は前年比2.5倍に増加。例えば「鼻」という小さなパーツに対して、「鼻根」「鼻脇」「鼻先」「鼻筋横」など多様な表現がみられるなど、自身の顔のパーツを細分化して捉える傾向が強まっている。背景にあるのは、「パーツ関連の化粧品情報が増えたこと」「細部まで映し出す高機能ミラーの普及や自撮り文化の浸透など、自分や他人の顔のアップを見る機会が増えたこと」「美容医療の知識のひろがりで、細部のパーツに目がいきやすくなったこと」。

 

超キラメロコスメ

「たまごっち」や90年代の音楽・ファッションに代表される平成リバイバルが続く中、近年は平成一桁世代への注目が高まっている。当時を知る世代には懐かしく、若い世代には“新しい”と映るこの流れが、コスメ分野にも波及。クチコミでは「平成」の出現率が昨対2.2倍となり、特に平成の“カワイイ”を象徴する「キラキラ」アイテムが支持を集めている。若年層アンケートでは、「キラキラ系メイクを目にする機会が増えた」とする回答が46.6%、「取り入れたい」は42.3%に上った。

韓国コスメで人気を博した“ちゅるちゅる”質感の「タンフルリップ」や”キラキラ”と輝くラメを散りばめたリップグロスなどがラグジュアリーブランドからも続々と登場。リップグロスの登録数・クチコミ数はいずれも昨対約1.3倍に増加。世代を超えて愛されるキラキラコスメが、2026年上半期のトレンドに。

「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」

【出典】アイスタイル

 

夢中美容

日本の睡眠課題が深刻化し、スリープテック市場やリカバリーウェア市場が拡大する中、@cosmeの調査でも、73.6%が睡眠の質を意識すると回答。睡眠不足と美容の関連を意識している人は多く、「睡眠をコンセプトにした化粧品に興味がある」と回答した人は4割超えに。睡眠と美容を結び付けた商品への関心が、今後さらに高まる見込み。

「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」

【出典】アイスタイル

 

肌守り市場拡大中

CICAやレチノールなど特定の肌悩みに応える「成分買い」が広がる一方、次なる潮流として「敏感肌向けアイテム」への関心が再燃している。クチコミでは「敏感肌」「ゆらぎ肌」に加え、「治安」「薄肌」といった肌状態を表すワードの出現率が増加。アンケートでも37.1%が「敏感肌でも安心・使える」表記に惹かれると回答した。さらに63.0%が「肌の治安を守る、揺らがない肌になりたいという意識がより高まった」と回答し、敏感肌を自認していない層の48%が実際には敏感傾向と回答。考えられる理由は、「花粉や寒暖差といった外部環境の過酷化による、肌のゆらぎ」「レチノールなどは効果が高い反面、その刺激から自身の肌の繊細さに気づく人が増えていること」「美容医療が身近になったこと」。美容医療をすると「いつもより赤みが強くでる」「皮膚科で肌が薄いと言われた」という声も見られるという。肌悩みに向き合う“攻め”を続けつつ、日常ケアでは敏感肌向けで土台を守る「攻めと守り」を両立した“お守り的スキンケア”が支持を広げそうだ。

 

「@cosmeベストコスメアワード2026上半期トレンド予測」

【出典】イスタイル

 

日本プライドコスメ

美容業界で「国産」への信頼感が高まっている。物価高を背景に「失敗したくない」意識が強まり、安心感のある国産スキンケアへのシフトが加速。アンケートでは73.4%が日本製に安心感を持ち、44.5%が研究開発力を評価した。クチコミでも日本企業の技術力を称える声が目立つ。実際、2025年上半期ベストコスメ総合TOP10のうち6商品を国産ブランドが占めた。こうした流れは訪日客にも波及し、爆買いから品質重視の「厳選買い」へと志向が変化。日本ブランドや、日本由来成分を訴求した“日本プライドコスメ”市場の拡大が期待される。

 

【編集部おすすめ記事】
成長が鈍化する美容・パーソナルケア業界、消費者が重視していることは?
韓国コスメvs日本コスメ、女性がよく買うのは? 年代別・職業別・年収別
女性が美容のためにお金・時間を使いたい部位と理由
2025下半期の美容トレンド発表、「PBコスメ」「秋肌」「自分基準のカワイイ」
女性ヘルスケアビジネス戦略ハンドブック2025  市場全体像とマーケティング基本施策

PAGE TOP
×