世界の死亡原因の第3位は「外科手術後の死亡」

世界中で毎年、外科手術後30日以内に約420万人が死亡しており、この数はHIVや結核、マラリアを原因とする死亡者数を上回ることが、英バーミンガム大学のDmitri Nepogodiev氏らの研究で明らかになった。世界中の全死亡例の7.7%が術後1カ月以内に発生したもので、世界の死亡原因のうち虚血性心疾患、脳卒中に次ぐ第3位を占めていることが分かった。詳細は「The Lancet」2月2日オンライン版に掲載された。

Lancet世界外科委員会の調べによると、世界中では年間で約3億1300万件の外科手術が実施されているが、世界各国の手術の質についてはほとんど分かっていない。今回の研究では、手術の実施件数と種類、死亡率に関して入手できるデータを用いて分析を行った。Nepogodiev氏は「世界の保健衛生に投じられる資金の多くがマラリアなどの感染性疾患に割り当てられており、外科手術にはほとんど割かれていない」と指摘している。

研究ではさらに、外科手術後の死亡例の約半数が低中所得国で発生していることも明らかになった。同大学NIHR Global Health Research Unit on Global Surgeryの研究グループによると、世界中で48億人が適切なタイミングで安全かつ手ごろな費用で手術を受けられていないことが分かっている。また、低中所得国では、年間1億4300万件の手術がいまだ必要とされると推定されている。

しかし、こうしたアンメットニーズに対応するために外科手術を拡大することは、術後の死亡者数を年間610万人に増やすことにもつながると、Nepogodiev氏らは指摘している。同氏は「術後の死亡を全て避けられるわけではないが、研究や医療スタッフの訓練、医療機関の設備などの改善に、さらに資金を投入すれば多くの死亡が避けられるだろう」と述べている。

さらに、Nepogodiev氏は「何百万人もの人々が術後に死亡するのを防ぐには、多くの人々が外科手術を受けやすくするよう整備していくと同時に、世界各国で、手術の質の向上を目指した取り組みを充実させていく必要がある」と述べている。(HealthDay News 2019年2月8日)Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

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