肥満県はどこ?男女別のBMI平均値で見る都道府県ランキング(1/2)
肥満であるかどうかを判定する基準が、世界共通の指標BMI。このBMIをもとに厚生労働省では3年に1度、都道府県別のBMIランキングを男女別に発表している。日本人は全体的に痩せ型が多いので、BMIが最も高い地域と最も低い地域で大差は見られないものの、東北地方が上位を占めていることを踏まえると、やはり住んでいる地域の習慣・環境によって太りやすい・太りづらいはありそうだ。自分が住んでいる場所は肥満県?
目次
肥満の定義と判定基準
肥満とは
肥満とは、脂肪組織が過剰に蓄積した状態のこと。肥満の判定にはBMIを用いる。BMIは国際的に用いられている肥満度を表す指標で計算方法は世界共通だが、判定基準が国で異なる。
日本では、疾病合併率が最も低い“BMI22”を標準値と定めており、“BMI≧25”で肥満と判定される。肥満に分類されるBMI≧25では、糖尿病、心臓病、脳卒中、高血圧症といった病気のリスクも高まる。
日本肥満学会ではBMI25以上の度合いに応じて「肥満1度」から「肥満4度」に分類している。一方WHOによる世界基準は日本の判定基準よりも高く、“BMI≧30”を肥満としている。
BMI18.5未満 | 低体重(やせ) |
BMI18.5以上25未満 | 普通体重 |
BMI25以上30未満 | 肥満(1度) |
BMI30以上35未満 | 肥満(2度) |
BMI35以上40未満 | 肥満(3度) |
BMI40以上 | 肥満(4度) |
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肥満と肥満症の違い
肥満による健康障害が起こっている、または内臓脂肪の蓄積が認められる場合は、肥満ではなく「肥満症」。肥満症とは、日本肥満学会が治療対象となる肥満かどうかを区別するために定義したもの。肥満は疾患ではないが、肥満症は減量治療を要するため疾患に区別される。日本肥満学会による肥満症の診断基準は以下の通り。
肥満と判定されたもの(BMI≧25)のうち,以下のいずれかの条件を満たすもの
1)肥満に起因ないし関連し,減量を要する(減量により改善する,または進展が防止される)健康障害を有するもの
2)健康障害を伴いやすい高リスク肥満
ウエスト周囲長のスクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ,腹部 CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満
(引用:日本肥満学会「肥満症診断基準2016 表A」)
また肥満症の判断基準となる健康障害(高血圧、痛風、月経異常など)や内臓脂肪の蓄積が見受けられないケースであっても、BMIが高ければ今後、健康障害が発生する可能性があるため、これについても治療対象となる。
他にも見た目には太っていなくとも内臓脂肪面積が大きく、「内臓脂肪型肥満」と診断されるケースもある。内臓脂肪型肥満にさらに高血糖・高血圧・脂質代謝異常が組み合わさった「メタボリックシンドローム」を引き起こす危険性もある。
肥満 | 肥満症 |
・BMI25以上 ・健康障害なし ・内臓脂肪の蓄積なし |
・BMI25以上 ・健康障害あり ・内臓脂肪面積≧100㎡ ・健康障害なしで内臓脂肪面積≧100㎡ (内臓脂肪型肥満) ・BMI35以上で健康障害、内臓脂肪の蓄積なし (高度肥満) |
肥満度を表す体格指数、BMIの計算方法
BMIは肥満度を表す体格指数のこと。計算式は、体重[kg]÷身長[m]の2乗。例えば160cm55kgの女性の場合、55÷(1.6×1.6)となり、BMIは21.48となる。女性の健康の包括的支援政策研究事業で運営されている「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」では、身長と体重を打ち込むだけでBMIを簡単に判定できるページが用意されている。
- <例>
① 160cm=1.6m
② 55[kg]÷(1.6×1.6)[m]
③ 55÷2.56=21.5(※小数点以下第2位を四捨五入)
④ BMI21.5の普通体重