購買意欲を高める各社のweb戦略 「効率」よりも重視していること
効率化のためにweb戦略が行われてきたが、今その流れが変わりつつある。webの進化により「消費者と企業のリアルなコミュニケーション・つながり」が希薄になりすぎた今、各社は消費者の購買意欲を高めるため、効率よりも、手間暇かけてでも1:1のリアルなつながりを重視する戦略に切り替えを始めている。まずは今までの流れを確認しよう。
これまでのweb戦略
これまでのweb戦略は「効率アップ」「広く拡散」「より多くの人へ届ける」ことを重視していた。具体的には下記が該当するだろう。一例に過ぎないが、web戦略戦略は多岐にわたる。
- コーポレートサイトを開設
- 実店舗で商品販売をしている場合は、通販サイトの開設
- facebookページ、twitter、InstagramなどSNSの開設・運用
そしてweb上のサービスが次々に登場・乱立するようになってから次に重視されるようになったのがオムニチャネル化だ。オムニチャネル化は消費者の間でも「当たり前」になりつつあり、オムニチャネルが構築されていないと消費者は無意識に「不便だ」と感じたり、ストレスを感じてしまう。他にもwebサイトの乱立により人気を集めたのが、web上に散らばった情報を一つにまとめてくれる、ニュースアプリのグノシーや、まとめ系サイト。常にweb戦略は変化しながら進化していることが分かる。
web戦略の今後の流れ
では、今はどのようなトレンドになっているのか?というと「web上のみでサービスを提供してきた企業が、あえて手間暇コストをかけてリアルな消費者とのつながりを持つ」というものだ。
Amazonの電話相談サービス
例えば、アマゾンは専門家がワインを選んでくれる無料の新サービス「アマゾン・ソムリエ」を2016年2月に開始。指定した電話番号にアマゾン・ソムリエから電話がかかってきて、相談するとたくさんあるワインの中から最も自分に合ったワインを選んで届けてくれる。同サービスはキュレーターの役割を担っており、商品が溢れすぎて「選ぶ・探すことに疲れ果ててしまう」今の時代のニーズに応えたサービスだ。
オイシックスや@コスメのリアル店舗
有機野菜の食材宅配ネットスーパーのオイシックスでは百貨店やスーパーのコーナーでリアル販売を行い、アットコスメもアットコスメストアを商業施設で出店している。これらサービスは既述した「徹底した効率重視」ではなく「手間暇・コストをかけてでもお客様とのリアルなつながりを重視する」流れへと変化していることを象徴している。
効率重視から、リアルなつながり重視へ
web上のみでサービス展開してきた企業がリアルへと進出していく。これまでとは逆の流れが加速している。一時は効率を重視し、広くより多くの消費者へ届けよう!という考えがweb戦略の中核をなしていたが、今後「1:1のリアルなつながりを重視する」方向はますます強まっていくだろう。欧米企業からは「なぜ日本では、ネット系サービスはリアルなつながり(サービス)を提供しないのか?顧客満足を上げるためにも売上を上げていくためにも『ネット上だけで完結させる』サービスはもはや時代遅れ」と指摘されているという。指摘の通り今後のサクセスキーワードは「リアルなつながり」かもしれない。
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