マーケの常識を覆す、博報堂が発表した新概念「消齢化」とは? 

女性ヘルスケア領域のマーケット情報を日々、収集・分析するウーマンズラボ編集部が厳選。読者の皆さんへ、おすすめ書籍を紹介するコーナー。今回のテーマは「新マーケティング」。

博報堂が発表し、今年話題を集めている「消齢化」。これまで企業人にとって常識だった、年代や世代を始めとしたデモグラフィック属性による従来のマーケティングを覆し、年齢による違いが消えてきたことを、同社が30年間続けている生活者の定点調査で突き止めた。

「消齢化」とは、生活者の意識・好み・価値観などについて、年齢による差が小さくなる現象のこと。同社の定点調査によれば、例えば「家庭生活よりも仕事を第一に考える」人の割合は、以前は高年齢層で高く年代差が見られたが、徐々にその意識が薄れ、年代差は小さくなっているという。他、「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方がよいと思う」「ハンバーグが好き」「車にお金をかけたい」など、幅広い分野でも同じ現象が起きており、以前は見られた年代差が今は小さくなっているとのこと。ファッション、メイク、日用品、旅行、飲食店など、女性たちの消費が多い領域を見渡してみてもそうだ。年齢による消費の選択の違いはさほどなく、年齢に関係なく女性全般に好まれているデザインや世界観は多い。人気女性誌を見ても一目瞭然で、中高年向けの雑誌でも、若者と変わらないハイセンスのファッションや美容アイテムが数多く並んでいる。年寄りじみた世界観では、今時の中高年女性に支持されないことを心得ての誌面構成だ。

背景にあるのは、年齢にとらわれずできることが増えたことや、社会から伝統・しきたりなどの「すべき」が減ったことなどだと、同社は分析している。この新しい概念である「消齢化」について、豊富なエビデンスとともに、生活者の生き方や社会構造、市場などを未来予測しているのが本書。これからのマーケティングを考える際に、外すべきではない概念だ。必読書としておすすめ。

ただしヘルスケア製品・サービスにおいては、この考え方を全て受容するのは危険。年齢による健康・医療ニーズは、現時点での科学技術では加齢の影響を避けられないからだ(技術進展により、将来的には年齢に関係なく健康でいられる未来もあり得ると、本書は述べている)。製品・サービス本体に求められる機能的価値については、今まで通りユーザーの年齢を考慮しつつ、商品・広告・自社サイトなどのデザインや、店舗・施設の世界観など、ユーザーの五感に訴えるモノ・コト=情緒的価値につながるものは「消齢化」の概念を取り込むのが、正解と言えそうだ。

 

 

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