ヘルステック市場規模・企業事例・米国の動向(3/3)

米国における動向

米国のヘルスケア市場は3兆ドル規模ともいわれ、市場規模は大きい。しかし産業全体でみるとデジタル化は遅れており、急速に進展するAIなどと融合したサービスが今後登場することで、ヘルスケア市場の中でも特にヘルステック市場は活性化すると予測される。

大手テック企業やスタートアップの参入も活発だ。グーグルやアップルは生体情報収集事業に参入しており、アマゾンはオンライン薬局を買収。個人の健康履歴を蓄積・分析するパーソナルヘルスレコード事業ではアップルも事業展開を進めている。

デジタルヘルス専門のベンチャーファンドのロックヘルスは2018年の投資総額が81億ドルとしており、活発な投資活動がうかがえる。一方、既存のヘルスケア産業も新たなテクノロジーを積極的に取り入れようとしている。開発受託機関企業が創薬のためにAI企業と提携したり投資したりする事例が見受けられる。

テクノロジーとの融合で価値向上を

グーグルやアップルなど大手テック企業が相次いでヘルスケア市場に参入する中、もはや既存のヘルスケアプレイヤーは、テクノロジーと無縁ではいられない。既存の治療法やアプローチが新たなテクノロジーによって塗り替えられるからだ。一方で、既存のヘルスケアサービスも新しいテクノロジーとの融合によって価値向上を実現できないか、検討する必要はあるだろう。ドラッグストアのスギ薬局は、ベンチャー企業のメドピアと資本提携し、ミールデリバリーサービス「スギサポdeli」や食事記録アプリ「スギサポeats」、歩数記録アプリ「スギサポwalk」を提供している。スギ薬局への来店促進にもつながると期待される。こうした既存のサービスと新しいテクノロジーを融合したサービス創出が市場をさらに活性化させていくことだろう。

 

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