AIホスピタルが女性の感情にもたらすこと

診断や治療にAIを活用する「AIホスピタル」の実現に向け内閣府は今年7月、「AIホスピタルによる高度診断・治療システム研究開発計画」を発表した。AIホスポタルが浸透することで、女性には何をもたらすのだろうか?

患者ではなくパソコン画面を見る医師

日経デジタルヘルス(日経BP)では、AIが臨床の現場でどのように役立つのか?また、医師の働き方がどのように変わるのか?について、記事「政府が進める『AIホスピタル計画』とは何か?」で取り上げており、その中でがんプレシジョン医療研究センター所長の中村祐輔さんは、現在の診察でよく見られる課題点を挙げ、AIホスピタルではその課題も解決できるようになると言っている。その課題点とは、診察中に医師がパソコンの画面ばかりを見つめ患者に顔を向け目を見て話さないこと。実際にそのような診察を受けたことがある人は多いだろう。診察記録を自身で文書化しなくてはならない今の時代ではどうしてもそのような状況になりがちだが、AIホスピタルなら医師と患者の会話を認識して自動で診療情報を文書化してくれるので、医師はきちんと患者と向き合えるようになるという。

医師のコミュニケーションスキルに疑問を感じる女性たち

診察の現場にAIが浸透すれば、患者の医師に対する不満は劇的に減るはずだ。特にそのメリットを肌で感じるのは女性だろう。男性と比べて女性は、人や物の好き嫌いを感情で判断する上に、コミュニケーションを重視し、自分の話を相手にきちんと聞いてほしいし相手の話もきちんと聞きたいと思っている。医師が自分に顔を向けることなく診察の始めから終わりまでパソコンの画面しか見ずに話していたら、「本当に私の話を聞いているのかしら…」と不愉快になり、「この先生の診断を信じて大丈夫なのか…」と不安を感じ、二度とその医師の診察室へは行かないだろう。実際にコミュニティサイトなどでは、医師のコミュニケーションスキルに疑問を感じている女性たちが怒りと不満をぶつけている投稿が多く見られる。

  • 「こちらの顔も体もろくに見ずに、ずっとパソコンをいじっていて『はい、薬ね』と言われた。違和感をものすごく感じる」
  • 「自分がどんな状態なのかきちんと向き合って見てもらいたいのに、パソコンばかり見ていて内心ムッとする」
  • 「私の顔を一度も見ることなく診察が終わった」
  • 「軽い症状だったとしても、せめて顔色くらいは見てほしい。こちらは意を決して病院に行っているのだから」
  • 「診察まで散々待たされて、診察室に入ったら顔も見ずに1〜2分で診察終了。診察に向かうときよりも、診察が終わって帰る時の方が不安になる」
  • 「診察室に入るなり、『僕が有名だからここの病院に来たんでしょ?』『僕、今度この学会で発表するんだ』『僕は●●大の医学部を出たんだよ』と、自分の肩書きの自慢話しばかりで、私の話はほとんど聞いてくれなかった。二度と行かない」

AIホスピタルは医師と患者の関係を良好に

医師のコミュニケーション能力についてはかねてより問題視されているが、ことに患者が女性の場合は、それが不満や怒りにつながりやすい。AIの進化により人とのリアルなコミュニケーションが無機質なものになるといった側面が指摘されているが、診察の現場においては、反対に人(医師)と人(患者)のコミュニケーションは今より活発になっていくだろう。AIホスピタルでは、画像・病理診断の補助による医師の負担軽減や人為的ミスの回避などといった医療のクオリティー向上だけではなく、医師と自分(患者)の関係を良好にするメリットも享受できるのだ。

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