新行事食「夏越ごはん」とは? 全国の提供店舗・企業事例(1/4)
2017年頃からSNSで急速に注目されはじめている「夏越ごはん」。夏越ごはんを提供する企業も、夏越ごはんを楽しむ女性も増加傾向にあり、新行事食として定着しつつある。関連行事である神事「夏越の祓」の基礎知識とともに、「夏越ごはん」の最新トレンドについて見ていこう。
新行事食「夏越ごはん」とは?意味・発祥
夏越ごはんが始まったのはいつ?
夏越ごはんとは、米穀機構(※)が提唱する新しい行事食のこと。古来より全国の神社で行われている神事「夏越の大祓(なつごしのおおはらえ)」に合わせ、毎年6月30日に「夏越ごはん」をいただき、残り半年の無病息災を祈願することを提唱。2015年より毎年6月30日を「夏越ごはんの日」と制定し、「夏越ごはん」の普及と定着を目指している。(※)公益社団法人米穀安定供給確保支援機構。日本国民の主食である米を安定的に確保し、稲作農業とコメ関連産業が健全に発展するための取り組みを支援する
「夏越の大祓」とは
SNSで多数投稿されている6月30日の「茅の輪(ちのわ)くぐり」は「夏越しの大祓」の神事の一環として行うもの。そもそも「大祓」とは知らない間に犯してしまった罪や過ち、心身の穢れ(けがれ)を6月と12月の晦日(つごもり=月末最後の日)に祓う行事であり、12月の大祓を「年越大祓」、6月の大祓を「夏越の大祓」と呼ぶ。
大祓では「茅の輪くぐり」や「形代」を用いる
大祓では「茅の輪くぐり」や「形代」を用いる。神社ごとに作法は多少異なるが、作法を守って「茅の輪くぐり」を行うことで罪や穢れを取り除き、心身が清められるとされる。
「茅の輪(ちのわ)くぐり」を設ける神社も多くあります。これは、素盞鳴尊(すさのおのみこと)とされる武塔神(むとうのかみ)に善行を施した蘇民将来(人の名前です)が、茅の輪を腰につければ、疫病に掛からないと言われた古事に由来するとされています。(引用:阿佐ヶ谷神明宮「神道Q&A夏越大祓とはなんですか?」)
形代(かたしろ)とは紙で作られた人型の紙で、自身の身代わりとして自己の罪穢れや災いを川や海に流して清めるという古来の日本人の進行を継続したものである。
形代に指名年齢を書き込み、「浄く明るく正しく直く」と祈念し、息を吹きかけ身を撫で、罪穢れをそれに移し、我が身の代わりとして神社に納めください。(引用:素盞嗚神社「祭儀 大祓」)
大晦日には「年越し蕎麦」、六月晦日には「夏越ごはん」で無病息災を祈願
米穀機構は、大晦日に年越し蕎麦をいただくように、六月晦日も1年の後半を無病息災で過ごすために残り半年間のエネルギーをチャージするための行事食「夏越ごはん」を食べる、という新たな食習慣を定着させたい狙い。2015年以降、夏越ごはんを提供する神社、飲食店、スーパーマーケット、社員食堂などが増え、2018年には夏越ごはんの販売店舗数が前年比約1.6倍と大幅に拡大した。